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Monetteの新作マウスピース:Unity ~買っちゃったので検証するしかない編~

というわけで結局買ってしまいました。ユニティ。

買う予定はないと前回書いておきながら、結局その直後から欲しくなっちゃったんですよね~。

その上タイミング悪く(?)モネットが恒例のサンクスギビングキャンペーン(とは言ってもオリジナルTシャツとマウスピースケースが貰える程度ですが)を始めてしまったので、買うなら今しかないと思ってポチっとやってしまいました。

Twitterでは随分前から購入した旨や比較動画も上げていたりはしたのですが、年末年始やら何やらで記事を書くのが今に至るという感じです。



今回購入したのはユニティB2-7(写真中)とエクストラライトのB4L(写真右)です。

 

そもそもモネットのマウスピースってどんな特徴があるの?という方は過去記事を参照してください。

Monetteマウスピースについて1(旧ホームページ掲載分)

Monetteマウスピースについて2(旧ホームページ掲載分)

Monetteマウスピースについて3 ピッチセンターとは

Monetteマウスピースについて4 その種類

Monetteマウスピースについて5 実際に演奏するにあたって

Monetteマウスピースについて6 どうやってリスクを抑えて導入したか

Monetteマウスピースについて7 最後に

Monetteの新作マウスピース:Tradition PLUS(2019/12/13追記)

Monetteの新作マウスピース:Unity

 

宣伝されていた内容は事実なのか検証していく


ここを読んでいる方の多くが気になるのは、モネット公式ホームページでユニティについて書かれていたことが事実なのかどうかということではないでしょうか。

ここでは前回の記事で、公式ホームページに箇条書きで記載されていたユニティの特徴を和訳したものがありますので、そのひとつひとつについてチェックしていきたいと思います。

ただしあくまでも僕がユニティを実際に使用してみた個人的な感想であり、しかも僕自身はもう何年も前からモネットのマウスピースを使用していて、普段レゾナンスB2S3W PRANAを使用しているという点をよく頭に入れてから読み進めていっていただければと思います。

ついでに言うまでもないかと思いますが、モネット社からは一切の利益供与を得ていないということも書き添えておきます。

 

1.今まで以上に明るく、はっきりとしたアーティキュレーション。音のプロジェクションが向上。


これに関しては文句なしにその通りです。

以前のフラッグシップモデルであったレゾナンスPRANAと比べても、ちょっと吹いたらすぐに分かるというレベルで明るく、明確なアーティキュレーションを容易に表現することができます。

周囲が大音量だったり反響が少ない場所でも自分の音が聞こえやすく、また遠鳴りもしているなという感覚があります。

一方で音の暖かみの成分は少なめな感じがします。

 

2.高音域がより自由で、ツボが広くバランスが取れている。


高音域だけ特に、という印象はありません。

全ての音域においてツボが広い……というかマウスピースだけでかなりいい加減に吹いてもクリアで遠鳴りするバジングが可能という印象です。

 

3.モネット以外のトランペットに最適化された新しいカップデザイン、バックボア、ウェイト。


これは好みによるところが大きいかもしれませんが、今まで重めのマウスピースが苦手であった人にとっては大きなメリットになるかと思います。

一方ヘビーウエイトなトランペットを演奏している方にとっては今まで通り、レゾナンスが向いているのかなという印象。

重さもありますし、ヘビーなトランペットを演奏する方にとって明るい音色とクリアなアーティキュレーションってそこまで需要はないのではないかと。

参考:KGU Brass トリムキットトランペットの重さって何に影響するの?ヘビーorライトウェイト

 

4.モネットの今までのモデルに比べ、今までモネットのマウスピースを演奏したことのない人でも簡単に演奏できる。


にわかには信じられないかもしれませんが、これも事実だと思います。

ユニティにおける最大のメリットではないでしょうか。

今までのモネットのマウスピース、特にPRANAはモネット自身が”F1マシン”と形容するように、一定以上効率のいいエアと身体の使い方ができなければ演奏しづらい側面を持つマウスピースでした。

PRANAを吹いていて高い音が出ない、やたらとサブトーンばかり出る、すぐにばててしまうというケースはそんな可能性があるのですが、一方でユニティはわりといい加減に吹いてもポンと明るくて遠鳴りする音が出る印象です。

PRANAがマニュアルミッション時代のF1マシンとするならば、ユニティは現在のセミオートマのF1マシンという感じでしょう。

ただし逆の言い方をするならば演奏者が余計なことをするとちょっと音を外しやすくなるかもしれません。

マニュアル車しか乗ったことのない人がパドルシフトのセミオートマ車に乗るとクラッチがない違和感に悩まされるのと同じで、余計な操作はマシン(=マウスピース)にお任せしてしまうという認識が必要かもしれません。

 

5.(Unityのリードモデルは)モネットの今までのモデルや他社のリードプレイヤー向けマウスピースに比べ、超高音域が簡単に演奏でき、同時に中低音域でも太く、安定した反応が得られる。


リードトランペットをやったことがないのであまり詳細な評価は避けたいところです。

ただしB4Lを使用した感じでは音が高くなっていっても先細りしにくく、リードトランペット経験0の僕が吹いてもそれっぽくギュンギュン鳴ってくれる感じがします。

元来太い音が特徴でもあるモネットの通常モデルに比べてしまうと、リードモデルはそもそも全音域で音が細い印象はあります。

しかしそれでも一般的なブランドのマウスピースとの比較でならほとんど遜色はないと思います。

これは完全に余談ですが、B4Lとハンドクラフトコミッティの組み合わせでジャズスタンダードを演奏してみたら妙に雰囲気が出てそれはそれで悪くありませんでした(笑)

 

6.PRANAに比べてより音響的なアドバンテージを持っているが、PRANAよりも演奏者の身体の使い方に関しては寛容。

1.や4.と重複しますが、これはほぼ宣伝通りと断言してしまって良いでしょう。

唯一注意してほしい点は”PRANAよりも”という点です。

バックやヤマハなど、"ピッチセンター"ではない一般的なマウスピースから乗り換える際には多少のコツが必要であることには変わりはないのだと思います。

参考:Monetteマウスピースについて5 実際に演奏するにあたって

 

7.サイズはリードモデルも含めて全15種類のラインナップ。

これは検証もなにもありませんが、やはり少ないです。

生産コスト圧縮のためなのかもしれませんが、もう少しバリエーションが欲しいところです。

 

8.高音域から低音域まで、そして非常に小さな音から大きな音まで一貫したレスポンスとアーティキュレーションで演奏できる。

これも宣伝通りです。

ユニティはそもそも唇のバズがとても安定しやすいという特徴があります。

ですから音量や音域によってバズが止まってしまったり、効率が悪くなったりということが他のマウスピースに比べて起こりづらい印象です。

 

9.予期せぬ副産物として、マウスピースサイズの変更がそれまでのものよりも容易に。

これは正直よく分かりません。

僕の場合レゾナンスB2S3W PRANAとユニティB2-7との比較で言うならばB2-7の方が明らかに窮屈な印象です。

慣れちゃえばどうってことないでしょと言われればその通りの些細な違いですが、それを言うならどんなマウスピースにでも同じことが言えてしまいます。

ちなみに普段B2サイズを演奏する人がリード用マウスピースとして乗り換えやすいと記述されていたB4Lに関しても同様に窮屈な印象ですが、なぜかそのフィーリングに反して吹きづらくはありません。

あまり気にせずとりあえず息を吹き込めばギュンギュン鳴ってしまうようなイージーさです。

ここら辺は単なるリム径の違いだけでは語ることのできない様々な要素が絡んでいるのでしょう。

 

続く

Monetteの新作マウスピース:Unity ~考察編~

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