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ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。

ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。#37

Jazz Standard Bible

日本全国のジャムセッションで共通の曲集として使われているジャズスタンダードバイブル。通称黒本。

そのジャズスタンダードバイブルを最初から最後までトランペットもしくはフリューゲルホルンで演奏してみようという企画です。

一応ルールとしては
テーマを1コーラス、そしてアドリブを1コーラスずつ演奏。
ただし伴奏に使うアプリ、iReal proで再現困難な曲は除外。
撮影機材は用意するのが大変なのでスマホのみ。
編集が面倒なのでノーカット、音にエフェクト掛けるのは禁止。

 

今回でページ数でいえば200ページ目以降に突入です。
曲数でいえばまだそこそこ残っているはずですが(もはや数えたくもない)、随分遠くまで来たなあという気がします。

最近では初対面の方からもYouTube見たよと言っていただくことがあり、正直頭を抱えて「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ーーー」と奇声を発したくなるような気分です(笑)

今となってはやめるにやめられないこの企画、皆さまの生暖かい視線で最期……もとい最後まで見守っていただければと思います。

それでは参りましょう!37回目!

 

※難易度分けは初級- 初級+ 中級- 中級+ 上級- 上級+の順。文中に出てくるキーや音名などは全てinBb表記。

 

 

 

Sophisticated Lady




上級-

ニュースクール在学中、ジミーオーウェンズ先生に課題として出された曲の1つがこの曲でした。
課題と言ってもアドリブの演奏ではなく、テーマをただ演奏するというだけのものでしたが、こういった一見するとシンプルな課題はそれまで気付かなかったことに気付くきっかけとなりました。

各Aセクションの2小節目、4小節目のように1拍ごとに半音下降していくコードチェンジに惑わされると曲の大局を見失ってしまいそうになるので注意が必要です。
こういったコードチェンジは実際にどのように演奏されているかさまざまな音源を聴いて研究すると、演奏の自由度が増すので中級者以上の方にはぜひお勧めしたいものです。

ちなみにクラークテリー御大は”Memories Of Duke”というアルバムでこの曲をラテンで演奏しています。
うーんまさに自由(笑)

 

 

Spain




上級+

スルーしちゃおうかと思ったけどiReal Proでトラックを作れちゃったので仕方なく演奏します。

曲のメロディ自体は頭の中で流れやすいので思ったほど辛くもないかも~と思いましたが、やはり地獄は地獄(笑)
まあそれでもCleopatra’s DreamやOver The Rainbowとかは思いっきりド地獄でしたけど……

#が4つ、使う音域も高くやたらと繰り返しが多いのでトランペットにとってはまさに地獄と言える曲。
トランペットでこの曲にチャレンジしようとしている方へ僕からできるアドバイスは1つだけです。

この曲をトランペットでやるのはやめましょう!!

 

 

Spring Can Really Hang You Up The Most




中級+

ジャムセッションでは主にボーカルによるコールがほとんどな曲で、インストではあまり演奏されることは少ないように思えます。

(前奏という意味での)バースが存在するのはままあることですが、この曲ではそれだけでなくアウトロが付いていますし、Cセクションも1小節目だけAメジャーに転調しており、長さも8小節ではなく10小節となっているのが非常に特徴的です。

僕も演奏するのは今回が初めてですが、この曲に慣れていない人と演奏する場合は事前に確認しておいた方が無難です。

コードチェンジもちょっと独特で、たとえば各Aセクションの冒頭2小節は|DM7CM7|DM7CM7|になっていますが、本当はCM7がC7になってくれると良いんだけどな~と思ってしまいます。

今手元にあるリアルブックなどの曲集でもこの部分がC7になっているのは1つしかありませんでしたので、一応|DM7CM7|DM7CM7|が基本なのでしょう。

 

 

Speak Low




初級+

オリジナルはボーカルによってスローテンポで演奏される曲なようですが、ジャムセッションではアップテンポで演奏されることがほとんどです。
爽やかで特にひねくれたコードチェンジも無いため気持ちよく演奏できる曲です。

唯一注意すべきポイントは1コーラスの長さが56小節であるという点。

通常AABC形式であればそれぞれの長さが8小節か16小節で統一されていることがほとんどですが、この曲に関してはBセクションのみが8小節です。

これで何も考えずに8バースをすると、ドラムとその他のプレイヤーの順番がBで入れ替わってしまい、コーラスの最後の方で戸惑うことになります。

この場合はそのまま押し切ってテーマに突入してしまうか、Bセクションのみ4バースにすると良いでしょう。

 

 

St. Thomas




初級-

言わずもがな、ソニーロリンズの演奏で非常に有名な曲です。

Dメジャーでリズムチェンジをぎゅっと短縮したような曲で、僕は長年苦手としてきた曲です。

DとかAなどのようにシャープがつくキーはフラットの多いキーより難しい気がするのですが、これはきっと好みの問題なのでしょう。

シンプルなテーマで演奏もさほど大変ではないのですが、だからといって調子に乗って速いテンポでスタートするとアドリブの時に痛い目を見るのでテンポ出しの時は気をつけましょう(経験あり)。

 

 

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