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ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。

ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。#38

Jazz Standard Bible

日本全国のジャムセッションで共通の曲集として使われているジャズスタンダードバイブル。通称黒本。

そのジャズスタンダードバイブルを最初から最後までトランペットもしくはフリューゲルホルンで演奏してみようという企画です。

一応ルールとしては
テーマを1コーラス、そしてアドリブを1コーラスずつ演奏。
ただし伴奏に使うアプリ、iReal proで再現困難な曲は除外。
撮影機材は用意するのが大変なのでスマホのみ。
編集が面倒なのでノーカット、音にエフェクト掛けるのは禁止。

 

ケノンのフリューゲルとマーティンコミッティをお借りしているとあるありがたい方より、今度はレイノルズというトランペットをお借りすることになりました。

型番はよくわかりませんが、マイルスデイビスが"Miles Davis Vol.1,2"のジャケットで演奏しているのと同じモデルです(実際の演奏は恐らくコミッティかと思いますが)。
音程に少し難があるものの、コミッティとは少し違うダークさと柔らかさを持ち合わせつつも比較的扱いやすい楽器です。

今回はせっかくなのでStardust以外はレイノルズで演奏してみました。
トランペットのダークな音ってスマホのマイクだと正直ビミョーに録れる気もするんですが、まあお付き合いください。

 

※難易度分けは初級- 初級+ 中級- 中級+ 上級- 上級+の順。文中に出てくるキーや音名などは全てinBb表記。

 

 

Stable Mates




中級+

ご存知ベニーゴルソン師匠による名曲で、僕もよく好んで演奏します。

II-V-Iの仕組みを非常に上手く利用しながらもメロディは容易に口ずさめるくらいの自然な流れを持ち、大変美しい曲です。

コードチェンジが難しいのもありますが、1コーラスが独特のABA形式な上にAセクションが14小節、Bセクションが8小節という中途半端な長さのため、スムーズに演奏するためにはかなりの練習が必要かと思います。
ドラムとバースをするときにも注意が必要で、ドラマーがこの曲に慣れていない場合は事前に打ち合わせしておくと良いでしょう。

ところでこの曲のタイトル、Stable MatesなのかStablematesなのかどっちなんでしょう?
リアルブックなどでは後者ですが、ここでは一応ジャズスタンダードバイブルに従っておきましょう。

 

 

Star Eyes




初級+

Stable Matesほどではありませんが、この曲もII-V-Iというシステムを上手く利用して演奏者を翻弄してくれる曲です。

こういった曲をアナライズしてみると本当によくできてるんだなと関心することが多いです。
コードチェンジが複雑でメロディも複雑な曲というのはわりと簡単に作曲できてしまいますが、これらの曲のようにコードチェンジは複雑でも口ずさめるくらい自然なメロディをもつ曲を書くのは大変難しいことだと思います。

ジャズスタンダードバイブルに載っているイントロはよくある定番のものです。
ジャムセッションでこの曲をコールする場合は一応チェックしておきましょう。


 

 

Stardust




中級+

トランペットといえばやっぱりこの曲を朗々と歌い上げるように吹けなきゃね!
……というわけでやってみましたが本当に難しいです。

そもそもほとんどのスタンダード曲ではさらっとしか出てこないモーダルインターチェンジ(Aセクションの3、4小節目など)がぐぐっと引き伸ばされているんですよね。
これが多くの方にとっては戸惑う原因になるのではないかと思います。

また他の曲とは異なり、この曲はバース(前奏部)を含めて演奏されることが多いのでこの曲のバースに関してはよく練習しておく必要があります。

その知名度のわりにはジャムセッションでコールされることはそんなに多くない印象ですが、バースとテーマを演奏するだけでも良い練習になるのでぜひトライしてみましょう。

 

 

Stella By Starlight




初級+

こちらも言わずもがなの名曲。しかもジャムセッションでのコール率は非常に高い部類に入るでしょう。

一見してシンプルなメロディに、少しクセはあるけどまあ大して難しくはないコードチェンジなのでさらっと流されてしまいそうですが、よく味わってみると大変美しい曲で僕も大好きな曲です。
正直言ってこの曲、いい加減に練習したってなんだかそれっぽく演奏できてしまいますが、きっちりとアナライズしてから練習に取り組むことを強くお勧めします。

ちなみにジャムセッションでは多くの曲がミディアムアップくらいのテンポで演奏されることが多く、ちょっと飽き飽きしてしまうこともあります。
この曲もご多分に漏れずミディアムアップで演奏されることが多いのですが、スローでじっくりと演奏するのもとても楽しいですよ。

 

 

Stolen Moments




初級-

オリバーネルソンといえばこの曲!
代表作"The Blues and the Abstract Truth"の中でも最も有名な曲でしょう。


独特なイントロとテーマによって構成された曲ですが、アドリブは楽譜に記載がある通りDマイナーのブルースです。
ジャムセッションではあまりコールされない方かと思いますし、僕自身もジャムセッションでの演奏はほとんどありません。

この曲のようにアレンジは少し凝っているけどアドリブはそんなに難しくないという曲はアマチュアの方がライブで演奏するのにはもってこいです。
しかもジャズファンの間での知名度は高く、曲を知らない人が聴いたとしてもいかにもジャズっぽいクールな感じの曲調ですからお得なこと間違いなしですね(笑)

 

 

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