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ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。#32
日本全国のジャムセッションで共通の曲集として使われているジャズスタンダードバイブル。通称黒本。
そのジャズスタンダードバイブルを最初から最後までトランペットもしくはフリューゲルホルンで演奏してみようという企画です。
一応ルールとしては
テーマを1コーラス、そしてアドリブを1コーラスずつ演奏。
ただし伴奏に使うアプリ、iReal proで再現困難な曲は除外。
撮影機材は
思い切ってモネットのフリューゲルホルン用マウスピースを注文してみました。
在庫にないモデルなため2、3ヶ月かかるとのことでこの企画が終わる頃には間に合わなそうですが、今から楽しみです。
借り物のマーティンコミッティも吹き方が分かってきてメイン機種にしようかと悩むくらい。
いろいろと楽しいことが重なってきて、やっぱりやめられませんねえ……
さて、こっちの方は早く片付けてしまいたい!(笑)
参りましょう、32回目!
※難易度分けは初級- 初級+ 中級- 中級+ 上級- 上級+の順。文中に出てくるキーや音名などは全てinBb表記。
Pent-Up House
中級+
コードチェンジは決して難しくありませんが、テンポが速く高い音域を使っているのでなかなか難しい曲です。
キーもAメジャーですし……
このキー、僕はとても苦手なんですが皆さんどうなんでしょうか。
単にフィンガリングやスライド操作が面倒なだけでなく、そもそもこのAメジャーというキーが頭の中で鳴りづらいような気さえしてしまうのですが(笑)
ジャムセッションではそこまで頻繁にコールされる方ではないでしょうが、クリフォードブラウンが演奏していることもあるのでトランペット吹きなら練習しておくべき曲です。
Perdido
初級-
リズムチェンジをもっとシンプルにしたようなコードチェンジの曲です。
僕はジャムセッションではあまり演奏したことがないのですが、やはりコールされるのは珍しい部類に入る曲ではないでしょうか。
テーマもシンプルですし、初心者にはぜひおすすめの曲です。
ただトランペットの音源を探したところあまり見つけることができませんでした。
単に僕が知らないだけかもしれませんが、恐らくはデュークエリントンの音源が参考にしやすいかと思います。
Polka Dots And Moon Beams
中級-
以前も書きましたが個人的にMy One And Only Love(ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。#27)とテーマを間違えやすい曲です。
ジャズスタンダードは似たようなつくりの曲が多く、特に作品数の多い作曲者の書いた曲などは正直これってやっつけ仕事じゃねえ!?と思いたくなるものも存在します(笑)
とはいえそのような曲であってもメロディが心に沁み入るような名曲は多いですし、そもそも曲を生かすも殺すも演奏者次第です。
バラードの中でもジャムセッションでは比較的コールされる方でしょう。
トランペット以外の楽器からも人気のある曲なのでコールしやすい曲だと思います。
Prelude To A Kiss
上級+
美しい曲は難しいの法則……この曲も御多分にもれず難曲です。
単に美しいだけでなくタイトルと曲調のはまってる感、さすがはデュークエリントンとしか言いようがありません。
ジャムセッションでのコールは比較的稀な方ですし、トランペットによる演奏音源も多くはないのですが、個人的にはもっとジャムセッションで演奏されて欲しい曲でもあります。
ジョーワイルダーの”Wilder ’n’ Wilderや、トランペットではありませんがキースジャレットの”Whisper Not”での演奏が大変素晴らしいので聴いてみてください。
Recado Bossa Nova
初級-
これってAマイナーじゃなかったっけ!?と思わず二度見してしまった曲です。
トランペット吹きの目線からするとRecado Bossa Novaといえば当然のごとくハンクモブレーのDippin’に収録されているもの(トランペットはリーモーガン)が思い浮かぶのですが、それはAマイナーでの演奏ですし、スタンダードジャズハンドブック、通称青本に載っているのもそのキーだった記憶があります。
きっと何かEマイナー(実音Dマイナー)で演奏されている有名なテイクがあるのかもしれませんし、いつのまにかジャムセッションでの主流がこっちに代わってしまったのかもしれませんが、勉強不足なせいか真相は分からず……
慣れないキーに半信半疑な演奏をお楽しみください(笑)
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