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トランペットの性能をフルに発揮させるためにできること
少し前にトランペットの重さが音色や吹奏感に与える影響について書きましたが(トランペットの重さって何に影響するの?ヘビーorライトウェイト)、そもそもトランペットにウエイトを追加したり改造をする以前にそのトランペットの本来の性能をしっかりと発揮できるようなコンディションにしておくことが重要です。
ちょっと細かいことも含めてまとめて書き出してみましょう。
基本です。
参考:トランペットをお手入れしよう!(分解・洗浄編)
トランペットは定期的に清掃しなければ管内に汚れが溜まっていきます。
トランペットの本来の性能を発揮させるという意味ではこの汚れは無い方が良いに決まっています。
人によっては掃除した後は調子が悪いという人もいます。
僕はそれ自体否定はしませんが、重要なのはその人にとってベストなコンディションを維持しやすく、いつでも正確に再現できるということではないでしょうか。
詳しくは一番最後に書きます。
これまた基本です。
参考:トランペットをお手入れしよう!(組み立て編)
オイルやグリスの役割はパーツ同士の滑りを良くしたり錆を防ぐためだと思われがちですが、決してそれだけではありません。
真鍮でできている各パーツ同士で振動をなるべくロスなく伝導するためには各パーツにどうしても生まれてしまうわずかな隙間をオイルやグリスで埋めておく必要があるのです。
オイルやグリスの種類を変えたら吹き心地や音色が微妙に変わったということがありますが、これは油脂の種類を変えたことによって振動の伝わり方が変わったことによるものだと思います。
オイルやグリスは時間の経過とともに水で流れてしまったり薄くなってしまいます。
ですのでこちらも清掃と同じく定期的な注油が必要です。
演奏頻度やブランドによって異なりますが、僕はバルブオイルは練習前に毎回、チューニングスライドオイルは2週間から1ヶ月ごと、スライドグリスは1ヶ月ごとくらいの注油を目安にしています。
マウスピースを差し込む部分は振動が生まれる部分に最も近く、マウスピースとマウスパイプで2つのパーツに分かれているために振動がロスしやすい部分です。
試してみれば分かりますが、マウスピースを軽く差し込んだ状態としっかりねじ込んだ状態では音の響きに差が出ます。
前者は少しピントがぼけ、ぼやっとした感じに、後者はピントがきっちり合って締まった音色になります。
好みの問題もあるかもしれませんが、唇で生んだ振動をわざわざロスさせるくらいならもとからもっとソフトに吹けば良いだけと僕は思います。
「しっかりねじ込む」とはもちろんマウスピースが抜けなくならない範囲での話です。
マウスパイプに差し込んで軽くキュっと締める程度です。
万が一抜けなくなってしまったら即楽器屋さんへ駆け込みましょう。
ちなみにモネットではRAJA Integrated Mouthpieceといってネジを切ったマウスピースとマウスパイプを一体にした機構を取り入れたモデルも販売しています。
最近ではARレゾナンスでも同様の機構を採用したトランペットを出しています。
振動のロスを最小限にするという意味ではこのような構造がベストなのでしょうが、マウスピースを頻繁に変えるプレイヤーは大変でしょうね(笑)
意外と見落としがちなのがこれです。
好みの締め具合があるという方もいますが、そうでない場合は基本的にしっかり止まるところまで締め込んでおいた方が良いでしょう。
常に動かす必要のあるピストンボタン、バルブキャップやバルブステムはもちろんのこと、ボトムキャップも当然緩みの無いようにしておきましょう。
わざわざ書くまでもないことかもしれませんが、パーツが緩んでいるということはその部分に振動が伝わりづらいということです。
この状態ではいくらウエイトを増したとしてもその効果を吸収してしまいます。
トランペットを保護したりグリップしやすくするために装着するプロテクターですが、トランペット本来の性能を発揮するという点のみで言うならば外すべきです。
ただしビンテージ楽器の場合や演奏頻度の多い場合、そして僕のように真鍮を溶かしやすい手汗(?)の場合は装着するべきでしょう。
※ただし演奏後はきちんと外さないとかえって腐食の原因となります。
音にものすごい違いが出るというわけでは決してありませんから、二度と手に入らない貴重な楽器などには使うべきかと思います。
僕も最近借り物のマーティンコミッティには装着するようにしています。
そのトランペット本来の性能をフルに発揮する=素の状態から振動をロスさせる要素を減らすということがまず1つ目です。
その結果としてあなたが吹きやすいかそうでないかはまた別の話です。
ですからここまで書いたことを忠実に実行した結果もし吹きづらくなったと感じるようであれば、その前まであなたが吹きやすいと感じていたものははもしかしたら本来の性能を発揮できていない状態のトランペットだったのかもしれません。
そしてもう1つはトランペットのコンディションを日頃から、保ちやすく再現可能な状態にしてそっちに慣れておくということです。
例えばトランペットを掃除した直後は調子が悪いという人がいて「なんだか調子が悪いなぁ」という場合、その人は練習内容や奏法を見直すべきなのか、トランペットそのもののコンディションのせいなのかという選択肢が生まれてしまいます。
お好みの汚れ具合(?)があって清掃後何時間~何時間吹いた後というような明確な基準があるならまだしも、多くの人はそこまでではないはずですから大事な本番へ向けてベストな楽器のコンディションを狙うことは困難です。
あったとしても本番に向けてそれを調整するという話は耳にしたことがありませんし、本番直前にこの範囲を越えてしまったら再びクリーニングし直して決まった時間に達するまで練習するというのでしょうか。
こんなことするくらいならうちの無料体験レッスンを受けた方が100倍ためになります (笑)
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多くの方は演奏がうまくいかないときにはその原因を苦労して探っていくものです。
そのときに楽器というファクターが一定であると分かっていれば不調の原因を探るときの選択肢を減らすことができ、より早く答えへとたどり着くことができます。
今回書いてきたような管内が綺麗で十分にグリスアップされた状態、マウスピースやキャップ類がしっかり確実に装着された状態などというのはいつでも簡単に、そして何度でも再現可能な状態です。
大きめのスランプに陥ったときなどは誰しもトランペットそのもののコンディションに対する疑念が頭をよぎることでしょう。
しかし普段からトランペットを振動ロスの少ない万全な状態で演奏する習慣をつけておけばさっさと分解清掃し、完璧な状態にしてやることによってトランペット自体は万全な状態になります。
そうなれば気持ちの上でも真正面から練習に取り組むことが可能になるのではないでしょうか。
ちょっと細かいことも含めてまとめて書き出してみましょう。
きちんと掃除する
基本です。
参考:トランペットをお手入れしよう!(分解・洗浄編)
トランペットは定期的に清掃しなければ管内に汚れが溜まっていきます。
トランペットの本来の性能を発揮させるという意味ではこの汚れは無い方が良いに決まっています。
人によっては掃除した後は調子が悪いという人もいます。
僕はそれ自体否定はしませんが、重要なのはその人にとってベストなコンディションを維持しやすく、いつでも正確に再現できるということではないでしょうか。
詳しくは一番最後に書きます。
きちんとオイル、グリスを差す
これまた基本です。
参考:トランペットをお手入れしよう!(組み立て編)
オイルやグリスの役割はパーツ同士の滑りを良くしたり錆を防ぐためだと思われがちですが、決してそれだけではありません。
真鍮でできている各パーツ同士で振動をなるべくロスなく伝導するためには各パーツにどうしても生まれてしまうわずかな隙間をオイルやグリスで埋めておく必要があるのです。
オイルやグリスの種類を変えたら吹き心地や音色が微妙に変わったということがありますが、これは油脂の種類を変えたことによって振動の伝わり方が変わったことによるものだと思います。
オイルやグリスは時間の経過とともに水で流れてしまったり薄くなってしまいます。
ですのでこちらも清掃と同じく定期的な注油が必要です。
演奏頻度やブランドによって異なりますが、僕はバルブオイルは練習前に毎回、チューニングスライドオイルは2週間から1ヶ月ごと、スライドグリスは1ヶ月ごとくらいの注油を目安にしています。
マウスピースはしっかりとねじ込む
マウスピースを差し込む部分は振動が生まれる部分に最も近く、マウスピースとマウスパイプで2つのパーツに分かれているために振動がロスしやすい部分です。
試してみれば分かりますが、マウスピースを軽く差し込んだ状態としっかりねじ込んだ状態では音の響きに差が出ます。
前者は少しピントがぼけ、ぼやっとした感じに、後者はピントがきっちり合って締まった音色になります。
好みの問題もあるかもしれませんが、唇で生んだ振動をわざわざロスさせるくらいならもとからもっとソフトに吹けば良いだけと僕は思います。
「しっかりねじ込む」とはもちろんマウスピースが抜けなくならない範囲での話です。
マウスパイプに差し込んで軽くキュっと締める程度です。
万が一抜けなくなってしまったら即楽器屋さんへ駆け込みましょう。
ちなみにモネットではRAJA Integrated Mouthpieceといってネジを切ったマウスピースとマウスパイプを一体にした機構を取り入れたモデルも販売しています。
最近ではARレゾナンスでも同様の機構を採用したトランペットを出しています。
振動のロスを最小限にするという意味ではこのような構造がベストなのでしょうが、マウスピースを頻繁に変えるプレイヤーは大変でしょうね(笑)
キャップ類はしっかりと締める
意外と見落としがちなのがこれです。
好みの締め具合があるという方もいますが、そうでない場合は基本的にしっかり止まるところまで締め込んでおいた方が良いでしょう。
常に動かす必要のあるピストンボタン、バルブキャップやバルブステムはもちろんのこと、ボトムキャップも当然緩みの無いようにしておきましょう。
わざわざ書くまでもないことかもしれませんが、パーツが緩んでいるということはその部分に振動が伝わりづらいということです。
この状態ではいくらウエイトを増したとしてもその効果を吸収してしまいます。
プロテクターは外す
トランペットを保護したりグリップしやすくするために装着するプロテクターですが、トランペット本来の性能を発揮するという点のみで言うならば外すべきです。
ただしビンテージ楽器の場合や演奏頻度の多い場合、そして僕のように真鍮を溶かしやすい手汗(?)の場合は装着するべきでしょう。
※ただし演奏後はきちんと外さないとかえって腐食の原因となります。
音にものすごい違いが出るというわけでは決してありませんから、二度と手に入らない貴重な楽器などには使うべきかと思います。
僕も最近借り物のマーティンコミッティには装着するようにしています。
トランペット本来の性能をフルに発揮させるための2つの考え方
そのトランペット本来の性能をフルに発揮する=素の状態から振動をロスさせる要素を減らすということがまず1つ目です。
その結果としてあなたが吹きやすいかそうでないかはまた別の話です。
ですからここまで書いたことを忠実に実行した結果もし吹きづらくなったと感じるようであれば、その前まであなたが吹きやすいと感じていたものははもしかしたら本来の性能を発揮できていない状態のトランペットだったのかもしれません。
そしてもう1つはトランペットのコンディションを日頃から、保ちやすく再現可能な状態にしてそっちに慣れておくということです。
例えばトランペットを掃除した直後は調子が悪いという人がいて「なんだか調子が悪いなぁ」という場合、その人は練習内容や奏法を見直すべきなのか、トランペットそのもののコンディションのせいなのかという選択肢が生まれてしまいます。
お好みの汚れ具合(?)があって清掃後何時間~何時間吹いた後というような明確な基準があるならまだしも、多くの人はそこまでではないはずですから大事な本番へ向けてベストな楽器のコンディションを狙うことは困難です。
あったとしても本番に向けてそれを調整するという話は耳にしたことがありませんし、本番直前にこの範囲を越えてしまったら再びクリーニングし直して決まった時間に達するまで練習するというのでしょうか。
こんなことするくらいならうちの無料体験レッスンを受けた方が100倍ためになります (笑)
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多くの方は演奏がうまくいかないときにはその原因を苦労して探っていくものです。
そのときに楽器というファクターが一定であると分かっていれば不調の原因を探るときの選択肢を減らすことができ、より早く答えへとたどり着くことができます。
今回書いてきたような管内が綺麗で十分にグリスアップされた状態、マウスピースやキャップ類がしっかり確実に装着された状態などというのはいつでも簡単に、そして何度でも再現可能な状態です。
大きめのスランプに陥ったときなどは誰しもトランペットそのもののコンディションに対する疑念が頭をよぎることでしょう。
しかし普段からトランペットを振動ロスの少ない万全な状態で演奏する習慣をつけておけばさっさと分解清掃し、完璧な状態にしてやることによってトランペット自体は万全な状態になります。
そうなれば気持ちの上でも真正面から練習に取り組むことが可能になるのではないでしょうか。