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ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。#29
日本全国のジャムセッションで共通の曲集として使われているジャズスタンダードバイブル。通称黒本。
そのジャズスタンダードバイブルを最初から最後までトランペットもしくはフリューゲルホルンで演奏してみようという企画です。
一応ルールとしては
テーマを1コーラス、そしてアドリブを1コーラスずつ演奏。
ただし伴奏に使うアプリ、iReal proで再現困難な曲は除外。
撮影機材は
今回はちょっとアプリでの伴奏がうまくいかない曲が多かったのですが無理矢理やってみました。
ジャムセッションで一般的に演奏されるのと異なるものもありますがご了承ください。
詳しくは個別に書いておきます。
※難易度分けは初級- 初級+ 中級- 中級+ 上級- 上級+の順。文中に出てくるキーや音名などは全てinBb表記。
The Night Has A Thousand Eyes
初級+
「夜は千の眼を持つ」という邦題を略して「夜千(よるせん)」と呼ばれることの多い曲です。
「ヨルセンどう?」なんて言われたらこの曲のことです。
AAB形式でAメジャーのシンプルな曲ですが、たまにコルトレーンがやっているコードチェンジで演奏されることもあるので注意しましょう。
楽譜に書いてあるとおりリズムがラテンとスイングで入れ替わったりしますが、今回やったように全てラテンで演奏しても結構です。
A Night In Tunisia
中級-
トランペッターなら絶対挑戦すべき曲です。
ディジーガレスピー、リーモーガン、そしてクリフォードブラウンらによる演奏が有名です。
構成が少しややこしいのでジャムセッションでやる場合はイントロやインタールード、ドラムソロの扱いなどについて事前に決めておいたほうが良いでしょう。
またAセクションで多用されるコードチェンジF7|Em7は初心者にとっては一見手ごわいように見えるかもしれません。
伴奏アプリの都合でブレイク後すぐにスイングになっていますが、個人的にはブレイク後1人目のソロの始まりはラテンの方が好みです。
スイングは演奏が盛り上がってきてからのお楽しみという感じでしょうか。
Now's The Time
初級-
まだトランペットがうまくコントロールできない初心者でもすぐに挑戦することのできる曲です。
一方ジャズの演奏に慣れた人からするとシンプルすぎて逆に難しい曲でもあります。
ジャムセッションに慣れてくると分かることですが、ほとんどの曲がミディアムアップくらいのテンポで演奏されることが多く、やっぱり演奏する側からするとそのくらいが楽なんだなと気づかされます。
この動画くらいテンポでシンプルなブルースを、というのは僕にとっても難しい課題です。
ジャズはブルース。ブルースはジャズ。と言っても言い過ぎではないでしょう。
死ぬまでに1度で良いから極上のブルースを演奏できるようになりたいものです。
Old Devil Moon
中級-
1コーラス48小節という少し珍しい長さなうえにラテンとスイングの切り替わるポイントがまた中途半端なので混乱しやすいかもしれません。
当然iReal proでは対応不可能なのでテーマは全編ラテン、ソロはスイングで演奏しています。
ジャムセッションでやるのとは少し異なるのでご注意ください。
コードチェンジは決して難しいわけではありませんが、Cセクションの3,4小節目でつっかからないよう注意しましょう。
演奏していてとても楽しい曲なので油断しているとあっさりミスしますよ(笑)
Old Folks
中級-
ケニードーハムの代表作、クワイエットケニーに収録されているものが有名です(キーは違いますが)
・・・と思ってケニードーハムを聴き返してみるとこの動画ほどスローにはやってないんですね。
長くなりやすいバラードナンバーはジャムセッションでは敬遠されがちですが、ケニードーハムのようにウォーキングでやるというのも一つの手段でしょう。
バラードナンバーは本来1曲の中できめ細やかで多彩な色分けを要求されるものです。
アンサンブルを磨く上でとても良い課題となるのでジャムセッションでもっと積極的に演奏して欲しいなと個人的には思います。
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ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。#28
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