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Amazonで格安トランペットを買うのってどうなの?
近年Amazonに限らずネット通販でトランペットを安く手に入れることはとても容易になりました。
ちょっと検索すれば1万円代で新品のトランペットが手に入ります。
過去にも書いたかと思いますが、安いトランペットをしかも通販で買うのは基本的にお勧めしません。
今回はその理由と、逆にAmazonはじめネット通販で安いトランペットを買っても良いケースについても書いてみようと思います。
安いトランペットと言ってもいろいろあるかとは思いますが、ここで言及する安いトランペットとは主に実売価格で3万円以下の主に中国や台湾の工場に作らせたものと定義し、以降は「格安トランペット」と呼ぶこととします。
だからといってインド製の3万5千円のトランペットなら安心とかそういうことではありませんのでご注意を(笑)
産地偽装?にご注意を
少し話が脱線しますが日本製と謳って海外の工場で製造しているブランドは案外存在します。
まあ品質さえ良ければ中国製だろうが火星製だろうがどこでも良いのですが、楽器ケースにJapanese Technologyとでかでかと刺繍してある某ブランドなんかを見ると商魂たくましいなと思ってしまいますね(笑)
工場は中国でも日本の会社が企画販売していたり、本社が日本にあるなどの理由からセーフだということなのでしょうが。
誤解の無いように書いておきますが、中国で作られたものが全て悪いということはありません。
バックの下位機種(TRシリーズ)なんかは中国の工場で生産されているそうですが、初めて買うトランペットとしては大変優秀です。
個人的には主要メーカーのエントリーモデル(初心者向け機種)の中では最強だと思っています。
なぜ「格安トランペットのネット通販」はお勧めしないのか?
これもAOI JAZZの記事と重複しますが重要なことなので改めて書いておきましょう。
1.ピストンの精度が悪い
ピストン周辺(バルブセクション)はトランペットの心臓部です。
ここの精度が悪いと頻繁に引っかかり、まともに練習することができません。
最近レンタル用としてヤマハの古いスチューデントモデルのトランペットを入手しましたが、そのトランペットの方が新品の格安トランペット(それでもこのヤマハの中古価格の2倍はする)より遥かに良いバルブアクションです。
昔のヤマハが優秀すぎるのか、それとも格安トランペットの質が悪すぎるのか分かりませんが、とにかく段違いのクオリティです。
2.音のツボ、音程に難がある
トランペットその他の管楽器には音の「ツボ」というものが存在します。
トランペットで演奏する音程それぞれにツボが存在し、そのツボを意識して演奏することによって効率よく良い響きを生み出すことができます。
ツボの特性はトランペットのブランドや機種によって様々で、同じ型番の機種であってもツボは微妙に異なるものです。
トランペットを買うときは実際に試奏し、お店に在庫があれば同一機種も吹き比べてみようというのはこの違いを把握するためでもあります。
主要ブランドのものであれば初心者が困ってしまうほどの問題になることは少ないのですが、いわゆる格安トランペットではここが安さの理由だったりするのです。
このクラスのトランペットだとある音域を演奏しようとするとツボがはっきりしない、もしくはツボはあるが正しい音程とかけ離れているというものがざらに存在します。
当然ながらツボの良し悪しというものは外見では絶対に分かりませんし、実際に試奏したとしてもトランペットを始めて間もない初心者がそれを見抜くのは非常に困難です。
その上ツボの良し悪しは後から調整や修理で改善することはほぼ不可能と言って良いでしょう。
3.個体差が大きい
製品として精度が悪いのですから個体のばらつきが大きいのは当然です。
これはピストンやツボにもろに影響する問題で、ハズレを引いてしまうとほとんどの場合調整や修理での改善は困難です。
個体のばらつきの大きい格安トランペットであるからこそ試奏はより重要で、これがAmazonやネット通販なんてもってのほかという大きな理由でもあります。
逆にヤマハなんかはおそらく世界一の精度で製造されており個体差は小さいのですが、それですら試奏せずに買うのは絶対安心とは言えません。
試奏せずに買うのなら全ては自己責任です。個体差リスクの大きい格安トランペットであればなおのことです。
4.修理、アフターサービス
ヤマハやバックなど主要ブランドでないトランペットは修理の際も苦労する可能性があります。
実店舗で買った場合はその店に持ち込めばパーツの手配などで時間がかかったとしても対応はしてくれるかもしれませんが、ネット通販の場合は難しいのではないでしょうか。
逆にどんな場合なら安心なのか
無理やり考えてみましたがこんなケースなら安心かもしれません。
1.旅行などに持っていくため
僕自身、旅行先でも練習できると良いなと思ってジュピターのポケットトランペットを持っています。
ヤフオクで15000円程度の中古品です。
音程はイマイチですがとにかく持ち運びは便利ですし、台湾の老舗ブランドであるジュピター製なのでバルブアクションも短期間の使用なら我慢できる範囲です。
普通のトランペットに比べると素朴な音色で、遊び用としても使えます。
唯一の問題は旅行へ行く時間がないというくらいでしょうか(笑)
ポケットトランペットに限らず普通のサイズのトランペットでも、例えば海外旅行で万が一壊れてしまったり盗難に遭ったとしても惜しくない楽器という意味でならありかもしれません。
2.とりあえずトランペットを始めてみたいが、そのために1万円ちょいなら捨てても良いという場合
最初から安物買いの銭失いだと割り切って買うのならば後で後悔することもあまり無いでしょう。
安売りや訳あり品などを待てばプラス2、3万円でまともなトランペットが手に入るのですが、物事を始めるにはタイミングも重要ですしね。
予算、品質、タイミング…何を優先させるかは個人の判断です。
ネットのレビューでは?
以前紹介した辛坊治郎さんの動画をはじめとして格安トランペットのレビューは数多く存在します。
ただそういったレビューは1本のトランペットだけをあくまで一時的に演奏してみての感想がほとんどです。
そのような条件下では格安トランペットのメリットデメリットを伝え切れているとはなかなか言い難いのが実情ではないでしょうか。
ここまでいろいろと書いてみましたが参考になりましたでしょうか?
早い話が「安いものには理由がある」ということですね。
今回の話は全て新品の場合に限った話でしたがトランペットを中古で、しかもネットで探す場合はどうなるのでしょうか。
基本的にリスキーですし初心者やトランペットに詳しくない方には全くお勧めしませんが、そのうちまとめて書いてみたいと思います。
禁断のテーマ:ネットで探す中古トランペットの選び方。
ちょっと検索すれば1万円代で新品のトランペットが手に入ります。
過去にも書いたかと思いますが、安いトランペットをしかも通販で買うのは基本的にお勧めしません。
今回はその理由と、逆にAmazonはじめネット通販で安いトランペットを買っても良いケースについても書いてみようと思います。
安いトランペットと言ってもいろいろあるかとは思いますが、ここで言及する安いトランペットとは主に実売価格で3万円以下の主に中国や台湾の工場に作らせたものと定義し、以降は「格安トランペット」と呼ぶこととします。
だからといってインド製の3万5千円のトランペットなら安心とかそういうことではありませんのでご注意を(笑)
産地偽装?にご注意を
少し話が脱線しますが日本製と謳って海外の工場で製造しているブランドは案外存在します。
まあ品質さえ良ければ中国製だろうが火星製だろうがどこでも良いのですが、楽器ケースにJapanese Technologyとでかでかと刺繍してある某ブランドなんかを見ると商魂たくましいなと思ってしまいますね(笑)
工場は中国でも日本の会社が企画販売していたり、本社が日本にあるなどの理由からセーフだということなのでしょうが。
誤解の無いように書いておきますが、中国で作られたものが全て悪いということはありません。
バックの下位機種(TRシリーズ)なんかは中国の工場で生産されているそうですが、初めて買うトランペットとしては大変優秀です。
個人的には主要メーカーのエントリーモデル(初心者向け機種)の中では最強だと思っています。
なぜ「格安トランペットのネット通販」はお勧めしないのか?
これもAOI JAZZの記事と重複しますが重要なことなので改めて書いておきましょう。
1.ピストンの精度が悪い
ピストン周辺(バルブセクション)はトランペットの心臓部です。
ここの精度が悪いと頻繁に引っかかり、まともに練習することができません。
最近レンタル用としてヤマハの古いスチューデントモデルのトランペットを入手しましたが、そのトランペットの方が新品の格安トランペット(それでもこのヤマハの中古価格の2倍はする)より遥かに良いバルブアクションです。
レンタル用トランペット YTR-136
昔のヤマハが優秀すぎるのか、それとも格安トランペットの質が悪すぎるのか分かりませんが、とにかく段違いのクオリティです。
2.音のツボ、音程に難がある
トランペットその他の管楽器には音の「ツボ」というものが存在します。
トランペットで演奏する音程それぞれにツボが存在し、そのツボを意識して演奏することによって効率よく良い響きを生み出すことができます。
ツボの特性はトランペットのブランドや機種によって様々で、同じ型番の機種であってもツボは微妙に異なるものです。
トランペットを買うときは実際に試奏し、お店に在庫があれば同一機種も吹き比べてみようというのはこの違いを把握するためでもあります。
主要ブランドのものであれば初心者が困ってしまうほどの問題になることは少ないのですが、いわゆる格安トランペットではここが安さの理由だったりするのです。
このクラスのトランペットだとある音域を演奏しようとするとツボがはっきりしない、もしくはツボはあるが正しい音程とかけ離れているというものがざらに存在します。
当然ながらツボの良し悪しというものは外見では絶対に分かりませんし、実際に試奏したとしてもトランペットを始めて間もない初心者がそれを見抜くのは非常に困難です。
その上ツボの良し悪しは後から調整や修理で改善することはほぼ不可能と言って良いでしょう。
3.個体差が大きい
製品として精度が悪いのですから個体のばらつきが大きいのは当然です。
これはピストンやツボにもろに影響する問題で、ハズレを引いてしまうとほとんどの場合調整や修理での改善は困難です。
個体のばらつきの大きい格安トランペットであるからこそ試奏はより重要で、これがAmazonやネット通販なんてもってのほかという大きな理由でもあります。
逆にヤマハなんかはおそらく世界一の精度で製造されており個体差は小さいのですが、それですら試奏せずに買うのは絶対安心とは言えません。
試奏せずに買うのなら全ては自己責任です。個体差リスクの大きい格安トランペットであればなおのことです。
4.修理、アフターサービス
ヤマハやバックなど主要ブランドでないトランペットは修理の際も苦労する可能性があります。
実店舗で買った場合はその店に持ち込めばパーツの手配などで時間がかかったとしても対応はしてくれるかもしれませんが、ネット通販の場合は難しいのではないでしょうか。
逆にどんな場合なら安心なのか
無理やり考えてみましたがこんなケースなら安心かもしれません。
1.旅行などに持っていくため
僕自身、旅行先でも練習できると良いなと思ってジュピターのポケットトランペットを持っています。
ヤフオクで15000円程度の中古品です。
音程はイマイチですがとにかく持ち運びは便利ですし、台湾の老舗ブランドであるジュピター製なのでバルブアクションも短期間の使用なら我慢できる範囲です。
普通のトランペットに比べると素朴な音色で、遊び用としても使えます。
唯一の問題は旅行へ行く時間がないというくらいでしょうか(笑)
ポケットトランペットに限らず普通のサイズのトランペットでも、例えば海外旅行で万が一壊れてしまったり盗難に遭ったとしても惜しくない楽器という意味でならありかもしれません。
2.とりあえずトランペットを始めてみたいが、そのために1万円ちょいなら捨てても良いという場合
最初から安物買いの銭失いだと割り切って買うのならば後で後悔することもあまり無いでしょう。
安売りや訳あり品などを待てばプラス2、3万円でまともなトランペットが手に入るのですが、物事を始めるにはタイミングも重要ですしね。
予算、品質、タイミング…何を優先させるかは個人の判断です。
ネットのレビューでは?
以前紹介した辛坊治郎さんの動画をはじめとして格安トランペットのレビューは数多く存在します。
ただそういったレビューは1本のトランペットだけをあくまで一時的に演奏してみての感想がほとんどです。
そのような条件下では格安トランペットのメリットデメリットを伝え切れているとはなかなか言い難いのが実情ではないでしょうか。
ここまでいろいろと書いてみましたが参考になりましたでしょうか?
早い話が「安いものには理由がある」ということですね。
今回の話は全て新品の場合に限った話でしたがトランペットを中古で、しかもネットで探す場合はどうなるのでしょうか。
基本的にリスキーですし初心者やトランペットに詳しくない方には全くお勧めしませんが、そのうちまとめて書いてみたいと思います。
禁断のテーマ:ネットで探す中古トランペットの選び方。