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禁断のテーマ:ネットで探す中古トランペットの選び方。

中古のトランペットに手を出したいのなら基本的にトランペットに関する知識や演奏経験がそこそこ必要です。
それらが無いのに中古のトランペットを買うということはリスキーですし、その上ネットで買うとなればリスクは跳ね上がります。


しかしネット通販やネットオークションが珍しくもなくなった昨今では、知識や経験がなくたって誰でも簡単に中古のトランペットを購入することが可能になってしまいました。

もはや「トランペットに関する知識や経験があまりない人はやめておきましょうね」とは言ってられない状況になってきたというのが実態です。

そこで敢えて書いてみようと思ったのが今回のテーマです。

ただし僕はこのやり方を第一の手段としてお勧めするわけではなく、どうしてもネットの中古トランペットに手を出したい場合にはこうしてみましょうという意味で書いておきます。
決してお勧めするわけではありません。


基本的にトランペットの知識や演奏経験の少ない方は手を出さないようにしましょう。
そしてもし手を出すなら自己責任でというスタンスには変わりはありません。


以上の内容をご理解いただいた上で読み進めて下さい。

 

ネットで探すことのメリット、デメリット

・特にネットオークションなら楽器店で買うより安く手に入る(かも)

・なかなか手に入らないモデルを入手できる(かも)

・遠隔地でも購入できる

メリットとして思いつくのはこんな感じでしょうか。

一方でデメリットは単純明快です。

・試奏できることが少ない

 

通常であれば試奏することによって音色や音程、吹き心地などをチェックできますが、これができないとなるとかなりの冒険になります。

試奏し、実際にその楽器を手にとってチェックすることができないというリスクを背負う分、上に挙げたメリットを享受することが可能であるということです。

これから書くような手間と時間をかけることによってこのデメリットを和らげることは可能ですが、面倒といえば面倒です(笑)

 

まずは相場を知ること

ネットで中古トランペットを探すときに最も重要なことはそのトランペットの相場を知ることです。

なぜなら買ったトランペットが期待通りのものでなかった場合、それをネットオークションへ出品し購入資金を回収するためです。


当然のことながら通常の楽器店によるネット通販よりもネットオークションの方が相場は安い傾向にあります。

あなたが出品する場合は出品手数料として売却価格の10%程度取られますので、もし仮に購入価格と同じ値段で売れたとしてもその分は損ということになります。
とはいえ好きなだけ試奏ができた上に楽器屋へ行く交通費や時間を浮かせたと思えばまあ納得でしょう。


相場といっても同じ型式であっても製造年代によって相場が変わったりもしますからここら辺はよく調べておくべきです。
これには手間と時間がかかりますが、その手間をかけてやっと初めて中古楽器をネットで探すメリットを享受できるのです。
それにいろいろ調べることによってトランペットに関する知識も増えていき、より良い楽器にめぐり合うことも可能になります。
面倒がらずにきっちりと下調べをすることをお勧めします。


 

相場は一度や二度調べるだけでなく、可能であれば一定期間チェックして価格変動の幅を把握しておくと良いでしょう。

 

ちなみにトランペットの売買に関してはebayはお勧めしません。
確かにebayでは日本ではお目にかかれないようなレア物に出会うこともあります。


しかし大抵は日本国内と相場がさほど変わらない上に国外からの送料がプラスされてしまうので多少安いくらいではメリットが相殺されてしまうのと、海外で使われていたものはあまり状態が良くないものが多いような印象があります。

小さくて送料が抑えられ、構造が単純で写真を見れば状態の把握しやすい物、例えばマウスピースなどであれば十分に利用する価値ありです。

 

画像だけで分かること、分からないこと

実店舗が近かったり、出品者が試奏可能としている場合はなるべく足を運んで試奏することをお勧めします。
しかしここでは基本的には試奏できない条件でという前提で書いていきます。


試奏できないということは画像だけを見てそのトランペットの良し悪しを見極めるわけですから、得られる情報には限度があります。
少しでも疑問があれば出品者に問い合わせて質問したり、別の角度からの画像を見せてもらいましょう。


以下に注意するポイントをまとめてみました。

 

1.パーツが少なくないか

まずは本来あるべきパーツが外されていないかよく確認しましょう。

特に3番スライドのリングが可動式のものはそのリングが無かったり、ひどい場合には各抜き差し間のうちどれかが無い場合もあります。
分かりづらいものだと3番スライドのストッパーネジが無くなっていることもあります。
いずれにしろヤマハやバックなど有名メーカーのものであれば後で入手可能なことは多いです。


ごく稀にもともとハンダ付けされていたパーツが外されている場合もあります。
そのトランペットと同じモデルの新品の画像とよく見比べてチェックしましょう。


 

2.傷、凹み

基本的に小さなものであればあまり目くじらをたてる必要はありません。

ただしマウスピースレシーバーがわずかに歪んでいたりマウスパイプが凹んだりしているものは避けておきましょう。
下の画像の左の円がマウスピースレシーバー、右の円がマウスパイプです。
レシーバーとマウスパイプの位置

この部分はトランペットの吹き心地に大きく影響してくる部分です。
ちょっとでもおかしいと感じたら手を出さないのが吉です。


古い楽器にはパッチと呼ばれる金属製の板が貼ってあることがあります。
これはそのトランペットを吹いているうちに管が腐食し、穴が空いてしまったのを補修したものです。


パッチを貼る際にはその部分を加熱し、貼った後に常温に戻るわけですからその部分にはストレスがかかってしまい良くないとされています。
僕自身パッチを貼ったトランペットのビフォーアフターを比較したことがないのでなんとも言えませんが、一般的には価格を下げる大きな要因となります。
パッチの写真
画像のフリューゲルホルンはとある方からお借りしている1952年製のケノンのフリューゲルホルンなのですが、2箇所にパッチが貼ってあります。
2つもパッチがというと敬遠しがちですが非常に良い音なので大変気に入っています。


 

3.商品説明欄

修理歴、そして特にピストンがスムーズに動くかどうかの記述があるか確認しましょう。
「素人なので動作未確認です」という記述も少なくありませんが、その場合は事前に調べておいた相場価格と見比べた上で入札するか否か判断しましょう。


もしスムーズに動きますと書いてあったにもかかわらず実際はそうでなかったとしても個人間売買であればほとんどの場合返品不可能です。
そもそもスムーズかどうかなんて主観的な基準ですからあてにしてはいけません。

それほどこの買い方はリスキーであるということです。

 

 

いかがでしょうか?

ネットで中古トランペットを買うだなんてとんでもないという気持ちになってきましたか?(笑)

虎穴に入らずんば虎子を得ずといわれるように、何事も大きなリターンを得たいのならそれなりのリスクは避けられません。

そこでリスクを避け、お金を出して安心を買うか、それともリスクを承知でしかしそれを和らげるために一手間かけた上でネット通販やネットオークションに手を出すか・・・。

いずれにしろ上手に活用すれば普通の楽器店で買うのがばかばかしく感じてしまうような値段で良いトランペットを手に入れることができます。
メリット、デメリットをよく天秤にかけた上で利用するか否かを判断してみてはいかがでしょうか。

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