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Monetteの新作マウスピース:Unity ~考察編~

前回はモネットのユニティを公式ホームページの宣伝通りの性能なのか検証してみました。

結果としてこのユニティ、モネットが公式に発表している内容とほぼ遜色ないスペックを持っているということが分かりました。

そこで今回はユニティが他のマウスピースに比べてどう違うか、どんな人へおすすめできるかについて考えてみることにします。

 

 

他社のマウスピースとの違い


これはユニティと他社のマウスピースとの違いというより、モネットのマウスピース全般と他社のマウスピースとの違いと言ってもいいかと思います。

 

1.音が太く、遠鳴りさせやすい


一言で言えばモネットのマウスピースを使うだけで「良くも悪くもモネットの音」がします。

文字で表現してうまく伝わるかどうか微妙ですが、音の根本から太くて柔らかく、音の輪郭にギラっとする感じを含みながらパンと遠くへ飛んでいく感じです。

この動画はモネットのトランペットMB-111の紹介動画ですが、モネットで勤務するスタッフ10人が代わる代わる演奏することによってモネットのサウンドが分かりやすく示されています。



モネットのサウンドというとウィントン・マルサリスのイメージが強い方もいるかもしれませんが、それよりはもっと明るく、ハリのある感じです。

 

2.高音域、低音域が吹きやすく、音程も安定しやすい。


ピッチセンターという設計思想に基づいて開発されたため、高音域や低音域が吹きやすくできています。

今までピッチセンター以外のマウスピースを使ってきた方にとっては少し慣れが必要な反面、一度慣れてしまえばとても楽に演奏することができます。

参考:Monetteマウスピースについて3 ピッチセンターとは

 

3.価格帯


高いです。恐らく市販されているトランペット用マウスピースの中では世界最高価格かと(血涙)。

 

 

旧モデルとの違い


特にユニティ発売以前のフラッグシップモデルであるレゾナンスPRANAと比較してみます。

 

外形的な違い



左からレゾナンス B2S3W PRANA, Unity B2-7, Unity B4L


 

画像では見づらいかもしれませんが、見た目ではユニティの方はカップからスロートへの向かう部分(ショルダー)が少し広くできており、ダブルカップに若干近い形状になっています。

またB2-7ではリムからカップへ落ち込む部分がかなりえぐってあり、カップへ向かってストンと落ち込むような形状です。

左のレゾナンスもS3といって少しえぐってあるものなのですが、それよりも激しくえぐってあります。



逆にバックボアの形状やスロートの径はあまり変わらない印象でした。

※B4Lはリードモデルなのでいずれも若干細めの設計

ちなみに重さはB2S3W PRANAが112g, Unity B2-7が104g, Unity B4Lが87gでした。

 

吹奏感の違い


まだ実際に吹い始めてそんなに時間が経っているわけではありませんが、今までのところ感じた点は以下の通りです。

 

いい加減に吹いてもとても効率よく唇が振動してくれる

イントネーションがつけやすい

自分の音がよく聴こえる(骨伝導しやすい?)

明るめの音色

 

明るめの音色であること以外は全て演奏が楽になるということに繋がっています。

実際、今までのレゾナンスだとコンディションによっては演奏するのがしんどいなということも多少あったので、それが改善されるとなれば大助かりです。

 

一方でその重量のせいか、音のパワフルさという面ではレゾナンスに軍配が上がります。

音の輪郭に表れるギラっとした成分もレゾナンスの方が多く感じます。

特にダークな音色が好みという方にとっては引き続きレゾナンスを選択肢に入れることも必要かもしれませんが、しかしそうではないプレイヤーにとってはユニティは非常に良いマウスピースなのではないでしょうか。

 

まとめ


というわけで勢いで買っちゃったユニティの解説をしてきましたが、こんな感じでご理解いただけましたでしょうか。

個人的には音色や吹奏感が好みなので以前から使っていたレゾナンスを引き続き使い続けるような気がしますが、ユニティを吹いてみることによって「ああモネットのマウスピースはこうやって鳴らせばいいのか」というヒントを得られたような気がします。

ユニティというマウスピースは、製作者であるデイヴ・モネットが(今まで彼が動画で公開してきたような)ライトウエイトのトランペットに求めている理想的なサウンドが、今までよりもかなりイージーに手に入るマウスピースなのではないかと思います。

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