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トランペットのマウスピースバジングはいらない?危険?
さて、前回は主にマウスピースバジングの効果について書きましたが、その記事の冒頭でも書いた通り、マウスピースバジングについてはいろいろと意見の分かれる見解が存在します。
マウスピースバジングは上手く行えばトランペットの上達にとても効果を発揮する練習ではありますが、確かにデメリットがないわけではありません。
まあそれを言い出したらロングトーンだってリップスラーだってみんなそうですが(笑)
ここではその危険性やマウスピースバジング不要論について考えてみたいと思います。
おそらくこれが最大の注意点でしょう。
当然のごとく唇の振動を共鳴させるのを助けてくれるトランペットが存在しないために、楽な音域を普通に吹いているつもりでも唇へかかる負荷が大きくなりやすい傾向があります。
マウスピースバジングは唇に負荷をかけすぎるからやめた方が良いとまで言う方もいるようですが、それはさすがに言いすぎかと思います。
しかしよく響かない、はっきりしない音のマウスピースバジングで大きな音や高い音を吹こうとするとかなりの負担を唇に強いることとなってしまいます。
またこんな状態では同時に上半身も力んでしまうでしょう。
そしてもし仮に正しい方法で練習できていたとしても、マウスピースバジングが唇に与える負荷は、通常トランペットを演奏するのに比べると大きくなりがちな傾向があるのは確かではあります。
ですからマウスピースバジングでのトレーニングを行う前にははっきりとした目的を設定し、そのために正しいやり方で正しい分量のトレーニングを行う必要があります。
こんなことを書くと結局宣伝かよと思われそうですが、この指導に関してはやはりプロ(しかも一定以上指導に精通した)に頼るのが最も確実かと思います。
多少なら問題ないかもしれませんが、普段トランペットを演奏するときとあまりにも違う角度や力の入れ具合でマウスピースを当ててしまっては練習の効果は落ちてしまいます。
これは後述するバジング練習器具を用いることによってほぼ解消することが可能ですし、そういった器具を買うのがもったいないという方は下の画像のように両手でマウスピースを保持することによってもある程度解決することができます。
片手でマウスピースを持って吹くだけでは意外と角度や力の入れ具合がぶれやすいものです(十分にリラックスして吹くことができるのなら良いのですが)。
それでもちょっとしたウォームアップ程度なら結構ですが、トレーニングとしてきちんと行うのならこういった持ち方をした方が良いでしょう。
画像と多少形が異なっても両手で均等にマウスピースを保持することができればOKです。
僕も初めて知ったときはこんな持ち方ひとつ、大した効果など無いとたかを括りましたが、実際にやってみると意外と効果的です。
マウスピースバジングでの練習はトランペット本体をつけた状態と違うので意味がないという意見もありますが、僕はこれにはあまり賛同できません。
確かにトランペットをつけた状態とは空気の抵抗などは異なりますし、それを意識してかバジング練習器具のなかには抵抗感を変えることができるというものも存在します。
それにマウスピースバジングはそもそも空気の抵抗だけでなく、口腔内のセッティングが通常トランペットを演奏するときとはわずかに異なります。
ですからマウスピースバジングなんて意味がないと考える人がいても仕方ないような気はします。
しかしそもそも上に挙げたような理由でマウスピースバジングが不要であるという方は、マウスピースバジングをするときの唇や口腔のセッティングをそのまま通常の演奏でも再現する必要があると思い込んでいるのではないでしょうか?
マウスピースバジングのキモは、イメージした音や耳で聴いた音、体から伝わってくる振動を頼りに、自分がトランペットを演奏するのに必要な様々なセッティングをベストに持っていく能力を付けることです。
ですからマウスピースバジングと実際の演奏で、そのセッティングが多少異なること自体はさほど気にする必要はありません。
セッティングが異なるのにそんなにうまくいくものなのか?と言われると、こればかりは言葉で説明するのがちょっと難しいです。
実際に誰かの指導を仰ぎつつ取り組んで頂くのが手っ取り早いのですが、例えばアダムラッパの本※では口腔の使い方に関して口笛やホーミー、ディジュリデュが参考になると書いてあります。
※アダムラッパ(2012)『新喇叭道―トランペット・コーディネーション・テクニック』ATN.inc
マウスピースバジングはそれらのやり方よりは実際のトランペット演奏の状態に近づけたものであるという考え方をすれば、マウスピースバジングなんていらないと思う方も腑に落ちるのではないでしょうか?
ここまで解説してきましたが、基本的にマウスピースバジングはその他の練習に比べ、闇雲に行ってもそのメリットを享受することの難しい練習です。
ですからマウスピースバジング不要論を唱える方の言い分もよく理解できます。
これらの練習は正しく行わなければ時間の無駄であるどころか、奏法について余計な混乱をもたらすきっかけにもなってしまいますし、やり始めるのに適切なタイミングを見極めることも重要です。
しかしこれらの練習を適切に取り入れることさえできれば、トランペットの上達が飛躍的に速くなることは間違いありませんし、僕は実際のレッスンでも積極的に取り入れています。
次回はマウスピースバジングの練習に役立つ器具をご紹介します。
前回記事:トランペットのマウスピースバジングについて
続編記事:トランペットの練習にバジング練習器具を活用しよう
マウスピースバジングは上手く行えばトランペットの上達にとても効果を発揮する練習ではありますが、確かにデメリットがないわけではありません。
まあそれを言い出したらロングトーンだってリップスラーだってみんなそうですが(笑)
ここではその危険性やマウスピースバジング不要論について考えてみたいと思います。
マウスピースバジングの危険なポイント
1.唇にかける負荷が大きい
おそらくこれが最大の注意点でしょう。
当然のごとく唇の振動を共鳴させるのを助けてくれるトランペットが存在しないために、楽な音域を普通に吹いているつもりでも唇へかかる負荷が大きくなりやすい傾向があります。
マウスピースバジングは唇に負荷をかけすぎるからやめた方が良いとまで言う方もいるようですが、それはさすがに言いすぎかと思います。
しかしよく響かない、はっきりしない音のマウスピースバジングで大きな音や高い音を吹こうとするとかなりの負担を唇に強いることとなってしまいます。
またこんな状態では同時に上半身も力んでしまうでしょう。
そしてもし仮に正しい方法で練習できていたとしても、マウスピースバジングが唇に与える負荷は、通常トランペットを演奏するのに比べると大きくなりがちな傾向があるのは確かではあります。
ですからマウスピースバジングでのトレーニングを行う前にははっきりとした目的を設定し、そのために正しいやり方で正しい分量のトレーニングを行う必要があります。
こんなことを書くと結局宣伝かよと思われそうですが、この指導に関してはやはりプロ(しかも一定以上指導に精通した)に頼るのが最も確実かと思います。
2.トランペットを演奏するときと同じようにマウスピースを当てること
多少なら問題ないかもしれませんが、普段トランペットを演奏するときとあまりにも違う角度や力の入れ具合でマウスピースを当ててしまっては練習の効果は落ちてしまいます。
これは後述するバジング練習器具を用いることによってほぼ解消することが可能ですし、そういった器具を買うのがもったいないという方は下の画像のように両手でマウスピースを保持することによってもある程度解決することができます。
片手でマウスピースを持って吹くだけでは意外と角度や力の入れ具合がぶれやすいものです(十分にリラックスして吹くことができるのなら良いのですが)。
それでもちょっとしたウォームアップ程度なら結構ですが、トレーニングとしてきちんと行うのならこういった持ち方をした方が良いでしょう。
画像と多少形が異なっても両手で均等にマウスピースを保持することができればOKです。
僕も初めて知ったときはこんな持ち方ひとつ、大した効果など無いとたかを括りましたが、実際にやってみると意外と効果的です。
バジング練習は意味がない?
マウスピースバジングでの練習はトランペット本体をつけた状態と違うので意味がないという意見もありますが、僕はこれにはあまり賛同できません。
確かにトランペットをつけた状態とは空気の抵抗などは異なりますし、それを意識してかバジング練習器具のなかには抵抗感を変えることができるというものも存在します。
それにマウスピースバジングはそもそも空気の抵抗だけでなく、口腔内のセッティングが通常トランペットを演奏するときとはわずかに異なります。
ですからマウスピースバジングなんて意味がないと考える人がいても仕方ないような気はします。
しかしそもそも上に挙げたような理由でマウスピースバジングが不要であるという方は、マウスピースバジングをするときの唇や口腔のセッティングをそのまま通常の演奏でも再現する必要があると思い込んでいるのではないでしょうか?
マウスピースバジングのキモは、イメージした音や耳で聴いた音、体から伝わってくる振動を頼りに、自分がトランペットを演奏するのに必要な様々なセッティングをベストに持っていく能力を付けることです。
ですからマウスピースバジングと実際の演奏で、そのセッティングが多少異なること自体はさほど気にする必要はありません。
セッティングが異なるのにそんなにうまくいくものなのか?と言われると、こればかりは言葉で説明するのがちょっと難しいです。
実際に誰かの指導を仰ぎつつ取り組んで頂くのが手っ取り早いのですが、例えばアダムラッパの本※では口腔の使い方に関して口笛やホーミー、ディジュリデュが参考になると書いてあります。
※アダムラッパ(2012)『新喇叭道―トランペット・コーディネーション・テクニック』ATN.inc
マウスピースバジングはそれらのやり方よりは実際のトランペット演奏の状態に近づけたものであるという考え方をすれば、マウスピースバジングなんていらないと思う方も腑に落ちるのではないでしょうか?
ここまで解説してきましたが、基本的にマウスピースバジングはその他の練習に比べ、闇雲に行ってもそのメリットを享受することの難しい練習です。
ですからマウスピースバジング不要論を唱える方の言い分もよく理解できます。
これらの練習は正しく行わなければ時間の無駄であるどころか、奏法について余計な混乱をもたらすきっかけにもなってしまいますし、やり始めるのに適切なタイミングを見極めることも重要です。
しかしこれらの練習を適切に取り入れることさえできれば、トランペットの上達が飛躍的に速くなることは間違いありませんし、僕は実際のレッスンでも積極的に取り入れています。
次回はマウスピースバジングの練習に役立つ器具をご紹介します。
前回記事:トランペットのマウスピースバジングについて
続編記事:トランペットの練習にバジング練習器具を活用しよう