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モネット“っぽい”マウスピースについて2 – AR Resonance(2020/3/9追記)

だいぶ前にまとめて書いたモネットのマウスピースに関する記事ですが、最近ではモネットだけでなく、モネットに似た特徴を持つブランドのマウスピースを使っている人をちらほらと見かけるようになりました。

これまではピッチセンター理論に基づいた設計のために高い音が出やすく、またビッグスロートを採用してファットな音を出しやすいマウスピースといえばモネット一択でした(もちろん誰でもというわけではありませんが)。

しかし当然のことながらモネットのマウスピースで演奏すると良くも悪くもモネットらしい音が出るため、その個性を好まない人にとっては敬遠されがちなものです。

そんな中、最近になって他の選択肢が知られるようになってきたわけですからいくつかご紹介してみたいと思います。

 

ただし必ずしも全てを実際に使ったことがあるというわけではないので悪しからずご容赦ください。

どなたか買ってくれればレビューしますけど(笑)

またこのページに掲載している情報は全て2019年9月時点でのものです。

 

過去記事:

Monetteマウスピースについて1(旧ホームページ掲載分)

Monetteマウスピースについて2(旧ホームページ掲載分)

Monetteマウスピースについて3 ピッチセンターとは

Monetteマウスピースについて4 その種類

Monetteマウスピースについて5 実際に演奏するにあたって

Monetteマウスピースについて6 どうやってリスクを抑えて導入したか

Monetteマウスピースについて7 最後に

 

 

今回ご紹介するのはARレゾナンスです。

https://www.arresonance.com

2014年、イタリアで設立されたこのブランドでは金管楽器のマウスピースやトランペットを製造販売しています。

今回紹介はしませんが、マウスパイプとマウスピースをネジで固定する仕組み(当然ARレゾナンスのトランペットにのみ対応。しかもギャップの有無で2通り存在)などはモネット以外で採用しているブランドはほぼ無いのではないでしょうか。

興味のある方はこちらへ:https://www.arresonance.com/technology

 

一般的なトランペットに使用できるタイプは基本的に2ピースとなっており、他のブランドとは比べ物にならない多彩な組み合わせが可能となっているのが特徴的です。

ARレゾナンスは僕自身が実際に吹いたことはありませんが、知り合いの方が演奏しているのを聴く限りでは「スロート太そ~」って感じで音の根っこが太くまろやかな印象を受けました。※あくまで個人の感想です(笑)

現物を所有していないため、今回画像はありません。あしからず。

Youtubeで動画を探してみましたが、マウスピースだけARレゾナンスを使っている動画を見つけることができませんでした。

ネジで固定するタイプのマウスピースを使った演奏は以下の通りです。



 



 

 

 

リムサイズ


基本的なサイズは以下の8通りです。

 

(←大)VL, L, ML, M, MS, S, VS, XS(小→)


 

“基本的な”とはどういうことかというと、公式サイトにはユーザーに希望に応じて50以上のオプションがあるという記述があり、恐らく指定すればリム径やリム断面形状などの注文に応じるということのようです。

さらには料金表の一部に"Scan of cup and rim: 30 euro"と書いてあるので追加料金を払えば好みのマウスピースのカップとリムをスキャンしてくれるようです。

日本からだと送料がバカにならないでしょうし、ちょっと現実的ではないかも。

 

 

 

カップ


カップの深さは6通り。

(←深)A, B, C, D, E, LEAD(浅→)


 

リムサイズとカップのアルファベットを組み合わせたものがマウスピースの型番となっているようです。

例えばVLリムとCカップの組み合わせはVLCといったような感じです。

 

※詳細なスペックはこちらで参照可能。

https://www.backbone.tokyo/ar-resonance-マウスピース/photos/

 

 

 

スロートサイズ


スロートサイズに関してはやはり大きめの設定になっており、#21(4.00mm)と#19(4.20mm)の2種類から選択できます。※一般的なマウスピースは大体#26~28くらい。

公式サイトでは大きめのスロートに関してはやはり音色とイントネーションの改善に役立つという記述がありますが、モネットのマウスピースとその目的がよく似ています。

2種類選べるあたりもモネットで言うところのクラシックとプラーナの違いを彷彿とさせますし、バックボアのテーパーもやはり大きなスロートを持つ#19の方が広いようです。

さらに言うならば実際にモネットのマウスピースと比較したところ、全体の長さがほぼ一致しました。

ただし公式サイト上にはシャンクの長さに関する記述がありませんし、僕が確認したのはその一本のみです。

あくまで参考程度にどうぞ。

 

 

 

ウエイト


具体的なラインナップが書いてありませんが、複数の重さが選択可能なようです。

公式サイトに載っている画像が参考になるかと思います。

https://www.arresonance.com/trumpet

 

日本の輸入代理店などのウェブサイトを見る限りでは1つのモデルの画像しか見つけることができませんでした。

こちらもあくまで参考程度にということでご容赦ください。

 

 

 

素材


トップ(スロートよりリムまでの部分)の素材がいくつか選択可能です。

選べる素材はイエローブラス、レッドブラス、コパー、アルミニウム、バッファローの角、フォスファーブロンズ(リン青銅)という驚愕のラインナップ……

公式サイトではバッファローの角は非常に軽くレスポンスに優れ、フォスファーブロンズは固い材質でとてもよく共鳴するとの説明です。

 

 

価格


素材や仕上げによって価格は異なります。※カッコ内は1ユーロ120円だと仮定しての円換算。

 

シルバープレート:179ユーロ(21480円)

ゴールドプレート:199ユーロ(23880円)

フォスファーブロンズのトップ:+50ユーロ

バッファローの角のトップ:-10ユーロ……え、安いの?

彫刻入り:デザインの複雑さによって+10~100ユーロ

 

あら、モネットなんかと比べると意外と良心的!

 

※あくまで公式サイトで表示されている価格です。

 

 

 

というわけで公式サイトの価格を信じる限りではモネットと比較して大分お求めやすい価格なARレゾナンスのマウスピース。

しかも見た感じにはモネットのXLTとLTの中間くらいのウエイトセッティングですから一般的なマウスピースから乗り換えても比較的慣れやすそうです。

実際に公式サイトでも乗り換えやすいという記述がありますし、モネットはしり込みしちゃうなあという方は選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

 

また嬉しいことに国内主要都市を中心に試奏会も行われています。

なかなか店に在庫を置いてあることのないモネットと比べると、タイミングさえ合えば実際に試すことができるというのはかなりの安心材料ですね。

 

 

※2020年3月9日追記


日本でのディーラーとARレゾナンス本社との間で何かトラブルがあったようで、日本の正規ディーラーが変わったようです。

https://www.arresonance.com/dealers

新たなディーラーの販売価格は旧ディーラーに比べてかなり良心的なので、これまで手を出しあぐねていた方には朗報かと思います。

例えばトランペットマウスピース(ワンピース)シルバープレートが本社直販で179ユーロ(仮に1ユーロ120円換算で21480円)、旧ディーラー価格が40230円であったのに対し、新たなディーラー経由で購入すると214ユーロ(同25680円)とのこと。

本社から直販しても数千円の送料がかかることを考えれば納得のお値段かと思います。



ちなみに新ディーラーの方とは面識も何もなく、この投稿も勝手にシェアさせていただいてもらっています。

一応宣伝を後押しする形にはなるので大丈夫かと思いますが、何か問題があればご連絡ください。

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