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モネット“っぽい”マウスピースについて1 – Flip Oakes
だいぶ前にまとめて書いたモネットのマウスピースに関する記事ですが、最近ではモネットだけでなく、モネットに似た特徴を持つブランドのマウスピースを使っている人をちらほらと見かけるようになりました。
これまではピッチセンター理論に基づいた設計のために高い音が出やすく、またビッグスロートを採用してファットな音を出しやすいマウスピースといえばモネット一択でした(もちろん誰でもというわけではありませんが)。
しかし当然のことながらモネットのマウスピースで演奏すると良くも悪くもモネットらしい音が出るため、その個性を好まない人にとっては敬遠されがちなものです。
そんな中、最近になって他の選択肢が知られるようになってきたわけですからいくつかご紹介してみたいと思います。
ただし必ずしも全てを実際に使ったことがあるというわけではないので悪しからずご容赦ください。
どなたか買ってくれればレビューしますけど(笑)
またこのページに掲載している情報は全て2019年9月時点でのものです。
過去記事:
Monetteマウスピースについて1(旧ホームページ掲載分)
Monetteマウスピースについて2(旧ホームページ掲載分)
Monetteマウスピースについて3 ピッチセンターとは
Monetteマウスピースについて4 その種類
Monetteマウスピースについて5 実際に演奏するにあたって
Monetteマウスピースについて6 どうやってリスクを抑えて導入したか
Monetteマウスピースについて7 最後に
日本ではほぼ知られていないであろうトランペットメーカー、フリップオークス。
https://flipoakes.com
トランペットプレイヤーでもあるフリップオークス氏が立ち上げたブランドで、アルトゥールサンドバルもフリップオークスのトランペットを使っているとのことです。
そんなフリップオークスから販売されているトランペット用マウスピースの一部がちょっと独特なのです。
とりあえずラインナップを見てみましょう。
※それぞれの説明文は公式サイト(https://flipoakes.com/accessories/mouthpieces/)を意訳したものです。
ミディアムカップ、オールラウンドに使える。#27スロート。
浅めのカップでリード向け。#26スロート、大きめのバックボア。
浅いカップだが大きく輝かしい、オープンサウンド。バーサタイルに使える。
ミディアムカップ、オールラウンドに使える。#26スロート、大きめのバックボア。
Model “L”のカップを少し深くしたもので、サウンドの特徴も似ている。
やや深めのCカップに#27スロート、Model “O”で用いられた大きめバックボアの組み合わせ。
大きくがっしりとしたオープンサウンドでバーサタイルに使えるが、クラシックやジャズの演奏に最適。
コルネットのような深いVカップでショートバックボア。#18スロート。
※一般的なマウスピースが大体#26~28くらいなので#18はかなり太め。
くつろいだ(意訳自信無し……)感じのジャズに最適。
コルネットのような深いVカップで普通の長さのModel “O”バックボア。
#11スロート。※超太い!
TCCよりさらに大きくがっしりとした、エッジの効いたサウンド。
ショートシャンク、Bカップ、#26スロート。
※何故かこのモデルは説明がこれだけ。
全モデル共通で以下の通り(インチ表記≒ミリ表記)。
全モデル$95と、モネットに比べると超良心的。送料が確か$35くらいかかるのがちょっと痛いですが……
ラインナップを見ると全体的にビッグスロート、ラージバックボア、そして一部はショートシャンクという傾向があり、それだけで見るならばモネットのコンセプトに近いように見受けられます。
もちろん製作者の意図が詳しく説明されていないので憶測ですが。
ちなみにフリューゲルホルンのマウスピースなんかはほぼホルンのマウスピースのような深いカップでなおかつスロートが極端に太く短いモデルも存在します(その名もFlip Oakes Wild Thing Extreme Flugelhorn Mouthpieces)。
このモデル(画像左)はXTですからシャンクの長さは一般的な長さです。
※比較対象は普段使っているモネット レゾナンス B2S3W PRANA
外観はあくまで一般的なマウスピースと変わりませんから、モネットのものに比べるとウエイトは軽いはずです。
カップは深め。リム断面形状はあまり変わらないような気がします。
もともとビッグスロートを持つモネットPRANAと比較しても明らかに大きいスロート径です。
実際に吹いてみるとこのスロートのおかげか音色は太く息の抜けも良いのですが、息の抜けはモネットとそんなに変わらないような気がします。
そしてこれは人によってはメリットにもデメリットにもなり得ますが、モネットっぽいマウスピースの中では比較的一般的なマウスピースに近い感覚で演奏できるのではないでしょうか。
バックボアの開きも一般的なものに比べると広い方ですが、モネットと比べるとタイトです。
一般的な長さのシャンクのせいか分かりませんが、モネットのように高音域や音の跳躍が特に楽という印象はありません。普通です。
もしかしたらショートバックボアのTCCだったらもう少し違ったかもしれません。
モネットに慣れた僕個人としてはこれにスラップのように軽くえぐったカップと短くよりオープンなバックボアを採用したらもっと吹きやすくなるのではないかと思ってしまいます。
まあマウスピースの設計なんてそんなに単純なもんではないんでしょうが(笑)
唯一残念なのが、現状では日本で正規に取り扱っているお店がなく、試奏してから購入を判断することはほぼ不可能といって良いでしょう。
しかし$95+送料ですから、最近ネットオークションで微妙に値上がりしつつあるモネットの中途半端な中古品を買うのよりはマシ……と思える方は試してみてはいかがでしょうか?
これまではピッチセンター理論に基づいた設計のために高い音が出やすく、またビッグスロートを採用してファットな音を出しやすいマウスピースといえばモネット一択でした(もちろん誰でもというわけではありませんが)。
しかし当然のことながらモネットのマウスピースで演奏すると良くも悪くもモネットらしい音が出るため、その個性を好まない人にとっては敬遠されがちなものです。
そんな中、最近になって他の選択肢が知られるようになってきたわけですからいくつかご紹介してみたいと思います。
ただし必ずしも全てを実際に使ったことがあるというわけではないので悪しからずご容赦ください。
どなたか買ってくれればレビューしますけど(笑)
またこのページに掲載している情報は全て2019年9月時点でのものです。
過去記事:
Monetteマウスピースについて1(旧ホームページ掲載分)
Monetteマウスピースについて2(旧ホームページ掲載分)
Monetteマウスピースについて3 ピッチセンターとは
Monetteマウスピースについて4 その種類
Monetteマウスピースについて5 実際に演奏するにあたって
Monetteマウスピースについて6 どうやってリスクを抑えて導入したか
Monetteマウスピースについて7 最後に
日本ではほぼ知られていないであろうトランペットメーカー、フリップオークス。
https://flipoakes.com
トランペットプレイヤーでもあるフリップオークス氏が立ち上げたブランドで、アルトゥールサンドバルもフリップオークスのトランペットを使っているとのことです。
そんなフリップオークスから販売されているトランペット用マウスピースの一部がちょっと独特なのです。
とりあえずラインナップを見てみましょう。
ラインナップ
※それぞれの説明文は公式サイト(https://flipoakes.com/accessories/mouthpieces/)を意訳したものです。
Flip Oakes Bb Wild Thing Trumpet Mouthpieces
ミディアムカップ、オールラウンドに使える。#27スロート。
Flip Oakes Model “L” Bb Trumpet Mouthpieces
浅めのカップでリード向け。#26スロート、大きめのバックボア。
浅いカップだが大きく輝かしい、オープンサウンド。バーサタイルに使える。
Flip Oakes Model “O” Bb Trumpet Mouthpiece
ミディアムカップ、オールラウンドに使える。#26スロート、大きめのバックボア。
Model “L”のカップを少し深くしたもので、サウンドの特徴も似ている。
Flip Oakes Model C-“O” Bb Trumpet Mouthpiece
やや深めのCカップに#27スロート、Model “O”で用いられた大きめバックボアの組み合わせ。
大きくがっしりとしたオープンサウンドでバーサタイルに使えるが、クラシックやジャズの演奏に最適。
Flip Oakes Model TCC Bb Trumpet Mouthpieces
コルネットのような深いVカップでショートバックボア。#18スロート。
※一般的なマウスピースが大体#26~28くらいなので#18はかなり太め。
くつろいだ(意訳自信無し……)感じのジャズに最適。
Flip Oakes Model XT Bb Trumpet Mouthpieces
コルネットのような深いVカップで普通の長さのModel “O”バックボア。
#11スロート。※超太い!
TCCよりさらに大きくがっしりとした、エッジの効いたサウンド。
Flip Oakes “C” Trumpet Wild Thing Mouthpieces
ショートシャンク、Bカップ、#26スロート。
※何故かこのモデルは説明がこれだけ。
リムサイズ
全モデル共通で以下の通り(インチ表記≒ミリ表記)。
#FO - 0.695≒17.653
※FO=フリップオークスのパーソナルモデル
#1 - 0.680≒17.272
#1.25 - 0.672≒17.0688
#1.5 - 0.670≒17.018
#3 - 0.666≒16.9164
#5 - 0.659≒16.7386
#7 - 0.653≒16.5862
#10.5 - 0.626≒15.9004
価格
全モデル$95と、モネットに比べると超良心的。送料が確か$35くらいかかるのがちょっと痛いですが……
特徴
ラインナップを見ると全体的にビッグスロート、ラージバックボア、そして一部はショートシャンクという傾向があり、それだけで見るならばモネットのコンセプトに近いように見受けられます。
もちろん製作者の意図が詳しく説明されていないので憶測ですが。
ちなみにフリューゲルホルンのマウスピースなんかはほぼホルンのマウスピースのような深いカップでなおかつスロートが極端に太く短いモデルも存在します(その名もFlip Oakes Wild Thing Extreme Flugelhorn Mouthpieces)。
このモデル(画像左)はXTですからシャンクの長さは一般的な長さです。
※比較対象は普段使っているモネット レゾナンス B2S3W PRANA
外観はあくまで一般的なマウスピースと変わりませんから、モネットのものに比べるとウエイトは軽いはずです。
カップは深め。リム断面形状はあまり変わらないような気がします。
もともとビッグスロートを持つモネットPRANAと比較しても明らかに大きいスロート径です。
実際に吹いてみるとこのスロートのおかげか音色は太く息の抜けも良いのですが、息の抜けはモネットとそんなに変わらないような気がします。
そしてこれは人によってはメリットにもデメリットにもなり得ますが、モネットっぽいマウスピースの中では比較的一般的なマウスピースに近い感覚で演奏できるのではないでしょうか。
バックボアの開きも一般的なものに比べると広い方ですが、モネットと比べるとタイトです。
一般的な長さのシャンクのせいか分かりませんが、モネットのように高音域や音の跳躍が特に楽という印象はありません。普通です。
もしかしたらショートバックボアのTCCだったらもう少し違ったかもしれません。
モネットに慣れた僕個人としてはこれにスラップのように軽くえぐったカップと短くよりオープンなバックボアを採用したらもっと吹きやすくなるのではないかと思ってしまいます。
まあマウスピースの設計なんてそんなに単純なもんではないんでしょうが(笑)
唯一残念なのが、現状では日本で正規に取り扱っているお店がなく、試奏してから購入を判断することはほぼ不可能といって良いでしょう。
しかし$95+送料ですから、最近ネットオークションで微妙に値上がりしつつあるモネットの中途半端な中古品を買うのよりはマシ……と思える方は試してみてはいかがでしょうか?