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ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。

ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。#39

Jazz Standard Bible

日本全国のジャムセッションで共通の曲集として使われているジャズスタンダードバイブル。通称黒本。

そのジャズスタンダードバイブルを最初から最後までトランペットもしくはフリューゲルホルンで演奏してみようという企画です。

一応ルールとしては
テーマを1コーラス、そしてアドリブを1コーラスずつ演奏。
ただし伴奏に使うアプリ、iReal proで再現困難な曲は除外。
撮影機材は用意するのが大変なのでスマホのみ。
編集が面倒なのでノーカット、音にエフェクト掛けるのは禁止。

 

今回はStraight, No Chaser以外はジャムセッションでのコール頻度のあまり高くないラインナップとなりました。

僕自身、Straight, No ChaserとSummertime以外は演奏したことがなかったかもしれません。

各曲の説明でも書いたことですが、コールされる頻度が低い曲であっても実際に練習してみるととても魅力的な曲であったり、アナライズしてみると勉強になる曲はスタンダード曲にはとても多いものです。

ですからもし仮に興味がなかったとしても、たまにはそういった曲に手を出してみることによって思わぬ発見があったりします。

 

まあそれをリアルタイムで最も実感しているのは僕自身だったりするわけですが(笑)

さあ参りましょう!今回で39回目!

 

※難易度分けは初級- 初級+ 中級- 中級+ 上級- 上級+の順。文中に出てくるキーや音名などは全てinBb表記。

 

 

 

Stompin’ At The Savoy




中級-

一応楽譜通りに演奏してみましたが、管楽器一本だとやはり少し物足りないような気がします。

有名な“Ella And Louis”の続編である“Ella And Louis Again”ではエラフィッツジェラルドがゆったりとしたテンポでテーマを歌い上げています。

他にもビッグバンドでの演奏ですが、ミシェルルグランによる“Legrand Jazz”での演奏は可愛らしいアレンジで好きです。

※ちなみにこの曲ではありませんが、同アルバムの一部にマイルス、ビルエバンス、ジョンコルトレーンが参加しています。

 

ジャムセッションでのコール頻度は残念ながらあまり高くありません。

しかしBセクションはトリッキーなコードチェンジで大変スリリングですし、テーマも2管で演奏したら大盛り上がりしそうですから是非コールしてみることをお勧めします。

 

 

Straight, No Chaser




初級−

ジャムセッションでも超おなじみ、セロニアスモンク作曲のブルース曲です。

演奏し慣れてはいても油断していると9小節目以降のフレージングでまごつくことがあるので一応要注意かもしれません。

 

この曲でトランペットというとやはりマイルスでしょう。

“Milestones”や“‘58 Sessions”などでの演奏もありますが、個人的には“At Newport 1958”での演奏が強く印象に残っています。

自分がこの曲を演奏するときもうっかり“At Newport 1958”でのソロの入りを吹きそうになってしまうくらいなのですが、大好きな名演のある曲を自分が演奏する時ってこんな経験することありませんか?(笑)

“At Newport 1958” 素晴らしいアルバムなので是非聴いてみてください。

 

 

Strollin’




初級+

ホレスシルバーらしいんだからしくないんだか、個人的には判断に迷う曲です(笑)

いずれにせよ「Strollin’=ぶらつく、散歩する」というタイトルと曲調がぴったりと一致するような気がします。

またこの曲は簡単なII-V-Iをうまくクリアするのに慣れてきた人が少しだけややこしいII-V-Iにも挑戦してみたいという場合にはうってつけの課題曲かもしれません。

 

ジャムセッションでもたまにコールされますが、やはりどちらかというと頻度は低いほうでしょう。

演奏して楽しいですし、とてもよくできた曲なので(アウトロ含めて)きちんとアナライズし、練習しておくと演奏の役に立つと思います。

 

 

Summertime




初級-

超定番曲なのですが、言うほどよくコールされるかというとなんだか微妙な気がします。

いえ、ボーカリストによるコール頻度はままあるのですがインストの場合はそうでもないような……

 

マイナーキーの曲で一般の方も知っていてなおかつ難易度の高くない、アマチュアの方が一般のお客さん向けにライブで演奏する場合には便利な曲なのではないでしょうか。

トランペットにとってはテーマの音域が少し高くて嫌かもしれませんが、このくらいの音域を力まずクールに演奏することができたらカッコいいですし、技術的にも多くのものを得られるはずです。

 

 

Take Five




上級-

こちらも超有名曲。しかしジャムセッションでコールされることはSummertimeに輪をかけて少ない曲です。

いえ、正確にはたまにコールされても他の演奏者が無理!となってしまうのでなかなかコールの通りづらい曲です。

そもそも5拍子という時点で多くの方にとっては演奏の難しい曲ですし、Bセクションが見た感じごちゃごちゃしているのでやってられんわ!となるのかもしれません。

 

ジャズスタンダードバイブルでは「アドリブは、イントロの2コードだけで行うのが一般的。」という注がありますが、個人的にはBセクションも含めて演奏した方が面白いしTake Fiveっぽいよねと思います。

そもそも5拍子の曲にチャレンジしようという時点でそこそこ腕に覚えのある方でしょうから、ここはBセクションも頑張ってアドリブしてしまいましょう!!

 

 

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