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トランペットを吹いていて唇の調子が悪い?
トランペット吹きにとっての生命線とされる唇ですが、このコンディションを常に良い状態に維持するということでお悩みの方は多いかと思います。
僕自身は季節の変わり目が苦手で、秋から冬にかけてだんだん寒くなっていく時期などは特には唇のコンディションが少し気になります。
そうでなくともギグや練習で吹きすぎてしまった翌日に唇が腫れぼったくなったような感じで吹きづらいという経験は誰しもがあると思います。
いえ、そうでなくともなんだか最近唇の調子が悪いんだよね~という話はトランペット吹きの間では挨拶代わりのようなものといっては言いすぎでしょうか(笑)
今回はそんな唇のコンディションの維持について、そして調子が悪くなってしまった時の対処法について何回かに分けて書いてみたいと思います。
今回は唇に関して基本的な考え方から書いていきましょう。
不調の原因は本当に唇にあるのか?
唇、唇と言いますが、そもそもあなたが唇がおかしいなと感じている原因は本当に唇そのものによるのでしょうか?
もちろん唇が極端に荒れていたり傷が付いているのなら唇そのものが原因なのでしょう。
多くの場合はトランペットを吹いていて「あ、唇がおかしい」と感じる。だから唇の調子が悪いという結論に達します。
しかし唇はもともと敏感な器官です。ですから唇は異変を感じとっているだけで、その唇から伝えられる感覚がおかしいからといって「唇がおかしい」というのは少し短絡的です。
ましてやそのせいで「きっとアンブシュアがおかしいからだ」などという考えに至ってしまってはドツボまっしぐらです。
少し話は変わりますが唇に違和感を感じる例として最もポピュラーなのが練習をしすぎてバテてしまったときです。
トランペットを吹いていられる時間って人によって違いますよね?
「長く吹いていられる人は上手だから長い間吹いていられるんだ」と思う方は多いでしょうし、決して間違ってはいません。
ただそこで思考がストップしてしまっては何のヒントも得られません。
あ、そうそう。長い間吹いていられる人はスタミナがあるからと思った方は思考がストップどころか真逆へ飛んでいってしまっています。
是非とも今回の記事を最後まで読まれることをお勧めします。
トランペットは効率の楽器であるということ
こちらでも書きましたが、トランペットを吹くときにはリラックスすることが大事である、というのは一般的によく知られたことです。
そう、トランペットを上手く演奏するためには身体の使い方や息の使い方だけでなく唇の使い方も効率的でなくてはならないのです。
そもそも唇というものは本来体内にあって守られているはずの粘膜が体の外側に露出している部分です。
その粘膜を一部とはいえ激しく振動させるわけですから、それを一定以上続ければ充血し腫れてくるのは当然です。
ですからその部分にスタミナを求めたり鍛えるというのは全くのお門違いです。
もしかしたら体力という意味でのスタミナ(?)という表現をされるのかもしれません。
この場合にしても唇=粘膜をたくさん振動させるということに変わりはありませんから、結局同じことです。
体の中でも弱く傷つきやすい粘膜である唇を効率良く使うとは、無駄遣いしてはいけないということです。
さらに言えば唇を無駄に振動させてはいけないのです。
僕はレッスンでは唇に余計な、もしくは必要以上の仕事をさせないようにという言い方をしています。
これに気づかずただ漠然と上手くなろうと練習を頑張っていても上達のスピードはたかが知れたものです。
唇に仕事をさせすぎてしまうと
トランペットの音色が汚いとかすぐにバテてしまうというのは唇を無駄に振動させたり、唇に不必要な力を加えることで無理やり振動させていることが原因であるとも言えます。
その状態でさらに頑張って振動をさせようというベクトルの思考で練習していてはドツボにはまるばかりです。
唇に仕事をさせすぎないということは他の部分でそれをサポートしてやる必要がありますが、いずれにしても唇を振動させすぎてしまうといずれ限界が訪れます。
そのときは決して無理せず休憩を取りましょう。
繰り返しになりますが、唇は傷つきやすく繊細な部分です。ですから練習をしていて疲労感を少しでも感じたら早めに休憩をとりましょう。
頑張って上達したい人ほど唇に負担を強いてしまいがちですが、唇を無理に振動させることにはデメリットしかありません。
ましてや唇に必要以上の負荷を掛けてトランペットを吹く習慣がついてしまうとその修正には多大な時間を要することになります。
というわけで唇のコンディション云々の前に、効率良く唇を使う=唇に無駄な仕事をさせない、そしてもし無理をさせてしまったら休憩をとることが重要であるという視点を持ちながら練習に取り組んでみましょう。
余談になりますがこのことはトランペット奏者自身だけでなく一部の吹奏楽部指導者に特によく理解して欲しいことです。
誤った指導によって奏法をめちゃくちゃにされてしまった学生は現在になっても非常に多く、ただでさえガラパゴスである日本の音楽シーンの中で特に吹奏楽は僻地に存在していると思わざるを得ません。
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唇のコンディションをうまく保つためには