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初心者の方へ贈る トランペットのマウスピースの選び方、替え時
トランペットのマウスピース、皆さんはどんなものをお使いですか?
トランペットを始めてから今まで何回くらいマウスピースを替えましたか?
僕は幸いなことにマウスピースそんなに替えてきてはいない方ですが、プロであっても人によっては頻繁にマウスピースを替える人もいます。
トランペットのマウスピース選びは非常に悩ましいものです。
いろいろと情報を探しても、ああだこうだと話が広がった挙句に「個人差があるのでお店で実際に試してみてね」という結論に辿り着くことが多いかと思います(確かにその通りなんですが)。
というわけでここでもあまり細かいところまで書くと大変ですし、そういった細かいところほど人によって意見が分かれて収拾のつかなくなるものです。
ですから今回はあくまで初心者の方がマウスピースを選ぶならどう選べば良いか、そしてマウスピースを替えるタイミングについて書いてみたいと思います。
初心者はどんなときにマウスピースを替えるべきか
トランペットのマウスピース選びは奥が深すぎて「こういう人はこのマウスピースを使えばうまくいきます」と一概に言うことができないのが辛いところです。
……たまーに初心者はとにかく7Cが一番良いんだ!みたいな言い方をする方もいますが、そういうのはあまり真に受けてはいけません(笑)
1.初めから使っているマウスピース以外のものを試したことのない場合
まずトランペットを始めてから一度も他のマウスピースを試したことのない人は、トランペットを始めてから半年から1年くらいで一度は見直してみると良いと思います。
決して半年から一年で替えましょうということではありません。マウスピースを見直した結果、替えないという選択肢ももちろんありです。
これは一番初めから使っているマウスピース以外のものを試したことのない方にとっては意外な結果を生むことがあります。
2.今までマウスピースを替えたことがあり、自身の演奏に不満がある場合
そもそも初心者の方がマウスピースを替える動機は多くの場合、もっと上手にトランペットを演奏するためだと思います。
しかし、あなたがトランペットをうまく吹くことができない原因はそもそも本当にマウスピースのせいなのか、それともあなた自身の奏法が原因なのでしょうか。
この場合、マウスピースを替えれば何かが良くなるケースもある一方で、演奏がうまくいかない理由が奏法によるものであるならばいくらマウスピースを替えても一時しのぎにしかなりません。
理想を言うならばやはり誰かに指導してもらって奏法と同時並行でマウスピースのことも検討してみるのが良いでしょう。
一時しのぎにしかならないとは書きましたが、その「一時しのぎ」で行き詰まる経験が今後奏法を改善するきっかけになったりもします。
ですからきちんとした人に指導を仰ぐことができない場合でも、これから書くようなやり方でマウスピース選びをしてみることで演奏力向上のためのきっかけを得ることができるかもしれません。
初心者の方に最もおすすめのマウスピースの選び方
マウスピース選びのコンセプト
トランペットのマウスピースを選ぶ際に基準にすべきことは、気持ちよく吹くことができるかどうかです。
初心者の方にありがちなのですが、単純に高い音が出ないなどといった理由でマウスピースを替えるのはお勧めしません。
試奏するときに吹く内容はなるべく普段から演奏し慣れた曲のフレーズや、基礎練習などが良いでしょう。
とりあえずハイトーンが出るかどうか試したくなるかもしれませんが、ハイトーンは吹き慣れたものを一通り試してからトライした方が良いでしょう。
よく下調べをした方などは型番やスペックが気になってしまうかもしれませんが、そういったものは一旦頭の外に置き、演奏していて気持ち良いかどうかを優先させましょう。
音域で言うならば中音域がストレスなく気持ち良く鳴るものが良いでしょう。
トランペットのハイトーンは中音域となるべく同じような気持ち良さで吹くものですから、実は中音域を気持ち良く吹くことができるマウスピースを優先させるべきです。
1.まずはリムサイズから絞り込む
リムとはマウスピースの唇に直接触れる部分です。
まず今使っているマウスピースの前後2段階くらいのリムの大きさのものを用意します。
例えば現在バック5Cを使っている場合は小さめ側に6,7番台、大きめ側に3,2もしくは1 1/2番台など。
この場合、カップの深さは基本的にはなるべく同じものが良いでしょう(お店に在庫がない場合は仕方ありませんが)。
多少ハイトーンを犠牲にしてでもふくよかな音が出したい方は深め、ハイトーン側を優先したい方は浅めのカップを選ぶのがセオリーですが、初心者の方がマウスピースのカップの深さによって音色のふくよかさや音域をコントロールしようとするのはお勧めしません。
これらは中庸なカップ(ヤマハやバックでいうBやC)のものであればかなりの程度奏法によってコントロールすることが可能ですし、トランペットの基本的な奏法を身に着けるという意味でもそうした方が、今後余計な悩みを抱えなくて済みます。
2.次にメーカーで選ぶ
しっくりくるリムサイズが見つかったら(もしくは今まで使っていたリムサイズがちょうど良い場合でも)今度は別のメーカーのマウスピースを試してみましょう。
同じくらいのリムサイズ(可能ならカップの形状や深さも同程度)で別のメーカーのものを試してみるのです。
これはカタログ上ではほぼ同じ数値であったとしてもメーカーによって様々な違い(リム断面の形状や測り方、スロートやバックボアなど)があり、その違いによって吹きやすさが異なってくるからです。
リムサイズの表記方法はメーカーごとに異なり、例えばバックは数字が小さくなるにつれて大きなリムになるのに対してヤマハや数字が小さい方が小さなリムだったりするので注意が必要です。
自分で下調べするのがベストですが、分からない場合は店員さんに聞いてみましょう。
3.もう一度リムサイズを選んでみる
初めに選んだのと別のメーカーのマウスピースが良いということになった場合、そのメーカーで前後のリムサイズのマウスピースを試してみましょう。
メーカーが異なればリムの断面形状など様々なセッティングが変わります。
ですから初めに試したものと別のメーカーで良いと感じたものがあったらその前後のサイズのマウスピースをチェックしておくべきです。
店員さんにはちょっと申し訳ない気持ちになるかもしれませんが、勇気を出してお願いしてみましょう。
4.細かいスペックにこだわるのなら一番最後に
もし気に入ったマウスピースにスロート、バックボア、メッキの種類などバリエーションがあるのなら試してみても良いでしょう。
あまり違いが分からないという場合は基本のセッティングの方で大丈夫です。
うーん初心者向けに簡潔に書いたつもりですが、やっぱりマウスピース選びって面倒ですね……
軸となる考え方はここまで書いた通りですが、トランペットのマウスピース選びについて思い出したことも多いので次の記事に書いてみようと思います。