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【新型コロナ対策】100均商品だけで超簡単にできるトランペットの水受け
新型コロナウイルスが流行してからというもの、楽団での練習やライブ活動などが休止してしまって大変な思いをされている方が多いかと思いますが、最近になってやっと活動を再開しましたという声もちらほら耳にするようになってきました。
そこで気になるのがトランペットから発生する飛沫対策。
まずはヤマハが実施した以下の実験結果をご覧ください(トランペットは3分22秒から)。
ヤマハミュージックジャパン『管楽器・教育楽器の飛沫可視化実験』 より引用(2021年6月4日閲覧)
この実験によればトランペットを演奏する際、ベルからの飛沫は少量で明確な方向性を持たない(=遠くへは飛散しない)ものの、マウスピースによるバジングと水抜きの際に飛沫が多く飛散するということです。
ですからライブやジャムセッション、楽団での練習など、他の人がいるような状況でトランペットを吹く際はこういった点に留意し、マウスピースバジングは完全に一人だけの状況で行う、水抜きにはハンドタオルなどを用いるというという対策を取られている方が多いかと思います。
トランペットの水抜きにハンドタオルというのは以前からよく使われてきた方法ではありますが、このやり方は感染症を防ぐ意味では本当に効果的なのでしょうか?
そもそもトランペットを演奏していて管内に発生する液体は、ほとんどが呼気とトランペット本体の温度差によって生じる結露であって唾液ではないとも言われます。
しかし唇を振動させて音を出すという構造上、少量の唾液の混入は避けられません。
ですからトランペットから出る液体は結露した水分なので感染症リスクとは無縁であるという意見には無理があります。
トランペットから排出されるその液体をハンドタオルに吸収させれば大丈夫と思っている方が多いのですが、そのハンドタオルを触った手、毎回洗ってますか?
なんならそのハンドタオル、楽器ケースやズボンのポケットに他のものと一緒にしまっていたりはしませんかね?(笑)
そう、ハンドタオルの使用は水抜きの際に発生する飛沫を抑制する効果はあるのですが、ハンドタオル自体が感染源となってしまう恐れがあるのです。
というわけで今回、より感染症予防効果の高いトランペットの水抜き用品、しかも100均に売っているものだけを使って簡単に自作できるものをご紹介します。
ちなみにこれにはBGというブランドのAnti-Drip AV65という、いわば元ネタ商品が存在します。
BGのものは価格が3000円近くするのに主管しかカバーできず、ウォーターキー全体をカバーしてしまうために液体が染み込んだ本体に毎回手を触れなければならないという、ちょっと残念な商品ですが、発想は大変素晴らしいものです。
で、僕が考えたパクリ改良版はこちらです。
ポイントは以下の4つです。
1.ウォーターキーのトリガー部が露出しており、水抜きするときに水受けに触れないため感染症予防になる。
2.三番スライドウォーターキーにも対応。
3.簡単に自作可能。
4.安いのである程度使ったら気兼ねなく捨てられるため衛生的。
材料はこの二つだけ。
ウレタンマスクとファスナーテープ(接着タイプ)です。
ウレタンマスクは100均じゃなくても売ってますし、まとめて買ってる方は多いと思うのでそちらを利用すればさらに割安で作ることが可能です。
たまたま近所のダイソーにこれしか置いてなかったのですが、もちろん接触冷感マスクである必要はありません。
まずはマスクを主管に当てて大まかな完成イメージ作り。
次にマスクの耳掛けの部分をこんな感じでちょきちょき切っていきましょう。
今回初めて知りましたが、ウレタンマスクって意外とはさみで切りづらいんですね……
耳掛けを切っただけだと高さがありすぎるので2/3くらいの高さでカット。
切る具合は装着するトランペットに当てながら考えていきましょう。
僕は一発勝負でざっくりと切っていきましたが、意外と後でどうにでもなりました(笑)
ちなみに切り落とした方のマスクの上1/3は三番スライド用に使うので取っておきましょう。
ここでファスナーテープの登場。
1センチくらいでしょうか。まあ適当に切ります。
30センチもあるのでもし失敗したってやり直し放題です。
ファスナーテープを貼るとこんな感じです。
まだまだ余白部分が多いので後で少しずつカットして調整します。
中には吸水用のティッシュを丸めてセットします。
水分がティッシュいっぱいになったら交換しますが、もちろんその際は手洗いを忘れずに。
それでもハンドタオル使用時に手が触れる頻度と比べたら圧倒的に衛生的です。
ペットシーツなんかをはさみで切って丸めたものを詰めたらもっと吸水性はアップするかもしれません。
余白部分が多い状態ですがとりあえず装着してみます。
このままではウォーターキーのトリガー部分が隠れてしまっており、水抜きの際に手が触れてしまいます。
余白部分をカットし、ついでになんとなく丸みをつけたものがこちら。
これなら水受けには手を触れず、ウォーターキーを直接操作して水抜きが可能です。
またここまでやって気づいたのですが、ファスナーテープの接着剤が意外としっかりと貼りついてくれます。
本当はファスナーテープを縫い付けないとダメかと思って裁縫セットも準備していたのですが、無理な使い方をしなければこのまま実用に耐えそうです。
逆にファスナーテープの接着面がだめになって剥がれたのを作り直す目安とするのが衛生的な観点からも良いでしょう。
というわけで主管用はここまでで完成です。
本当は主管用だけ作ればいいやーと思っていたのですが、先ほど作り方1でカットしたマスクの上1/3部分を三番スライドに当ててみるとなんだかいけそうな気がしてきました。
子供用の小さいウレタンマスクのアールがきつい部分を使うとよりフィットするとは思うのですが、費用対効果を考えて(要するに子供用をわざわざ買ってくるのが面倒……)先ほどカットした部分を再利用してみます。
カットはこんな感じでどうでしょう?
主管用と同様にファスナーテープを貼り付けて完成。
正直言って三番スライド用のカットの仕方は改善の余地があると思いますが……
中に詰めるティッシュは、主管用は1枚丸ごと細かく折りたたんで詰めたのに対し、三番スライド用は2枚一組になっているティッシュをはがしてそのうち片方の1枚のみを折りたたんで詰めるとちょうど良いようです。
当然のことながら水を抜いても下に垂れないので非常に衛生的です。
中に詰めたティッシュを交換する頻度はそんなに高くありませんが、毎回綺麗に詰めなおすのは慣れが必要かもしれません。
見た目にこだわらなければグイっと適当にティッシュを詰めても機能的には問題ありませんが、やはり綺麗に詰めた方が本体がずれるのを防ぐことに繋がり、長時間快適に使うことができます。
またシンプルな構造なので、カットの仕方を工夫してやれば様々なブランドのトランペットに対応可能です。
軽い素材しか使っていないので重量面に関しては全く気になりません。
デメリットとしては、気のせいかもしれませんが、少しトランペットの共鳴がロスしているような気がします。
とまあこんな感じでしょうか。
楽団の練習など集団の中でトランペットを吹く場合には非常に役立つのはもちろんですが、ライブやジャムセッションなど人前でトランペットを吹く場合にもエチケットとして役立つものです(トランペットを演奏しない人から見たら床に水を捨てるのって汚いですよね……)。
はさみがあれば簡単に作れる上に、材料費も非常に安いのでぜひ試してみてください。
そこで気になるのがトランペットから発生する飛沫対策。
まずはヤマハが実施した以下の実験結果をご覧ください(トランペットは3分22秒から)。
ヤマハミュージックジャパン『管楽器・教育楽器の飛沫可視化実験』 より引用(2021年6月4日閲覧)
この実験によればトランペットを演奏する際、ベルからの飛沫は少量で明確な方向性を持たない(=遠くへは飛散しない)ものの、マウスピースによるバジングと水抜きの際に飛沫が多く飛散するということです。
ですからライブやジャムセッション、楽団での練習など、他の人がいるような状況でトランペットを吹く際はこういった点に留意し、マウスピースバジングは完全に一人だけの状況で行う、水抜きにはハンドタオルなどを用いるというという対策を取られている方が多いかと思います。
ハンドタオルの使用は本当に安全なのか?
トランペットの水抜きにハンドタオルというのは以前からよく使われてきた方法ではありますが、このやり方は感染症を防ぐ意味では本当に効果的なのでしょうか?
そもそもトランペットを演奏していて管内に発生する液体は、ほとんどが呼気とトランペット本体の温度差によって生じる結露であって唾液ではないとも言われます。
しかし唇を振動させて音を出すという構造上、少量の唾液の混入は避けられません。
ですからトランペットから出る液体は結露した水分なので感染症リスクとは無縁であるという意見には無理があります。
トランペットから排出されるその液体をハンドタオルに吸収させれば大丈夫と思っている方が多いのですが、そのハンドタオルを触った手、毎回洗ってますか?
なんならそのハンドタオル、楽器ケースやズボンのポケットに他のものと一緒にしまっていたりはしませんかね?(笑)
そう、ハンドタオルの使用は水抜きの際に発生する飛沫を抑制する効果はあるのですが、ハンドタオル自体が感染源となってしまう恐れがあるのです。
というわけで今回、より感染症予防効果の高いトランペットの水抜き用品、しかも100均に売っているものだけを使って簡単に自作できるものをご紹介します。
ちなみにこれにはBGというブランドのAnti-Drip AV65という、いわば元ネタ商品が存在します。
BGのものは価格が3000円近くするのに主管しかカバーできず、ウォーターキー全体をカバーしてしまうために液体が染み込んだ本体に毎回手を触れなければならないという、ちょっと残念な商品ですが、発想は大変素晴らしいものです。
より安全で、より安く自作できるものを
で、僕が考えた
ポイントは以下の4つです。
1.ウォーターキーのトリガー部が露出しており、水抜きするときに水受けに触れないため感染症予防になる。
2.三番スライドウォーターキーにも対応。
3.簡単に自作可能。
4.安いのである程度使ったら気兼ねなく捨てられるため衛生的。
材料はこの二つだけ。
ウレタンマスクとファスナーテープ(接着タイプ)です。
ウレタンマスクは100均じゃなくても売ってますし、まとめて買ってる方は多いと思うのでそちらを利用すればさらに割安で作ることが可能です。
たまたま近所のダイソーにこれしか置いてなかったのですが、もちろん接触冷感マスクである必要はありません。
作り方1:切る
まずはマスクを主管に当てて大まかな完成イメージ作り。
次にマスクの耳掛けの部分をこんな感じでちょきちょき切っていきましょう。
今回初めて知りましたが、ウレタンマスクって意外とはさみで切りづらいんですね……
耳掛けを切っただけだと高さがありすぎるので2/3くらいの高さでカット。
切る具合は装着するトランペットに当てながら考えていきましょう。
僕は一発勝負でざっくりと切っていきましたが、意外と後でどうにでもなりました(笑)
ちなみに切り落とした方のマスクの上1/3は三番スライド用に使うので取っておきましょう。
作り方2:ファスナーテープを貼る
ここでファスナーテープの登場。
1センチくらいでしょうか。まあ適当に切ります。
30センチもあるのでもし失敗したってやり直し放題です。
ファスナーテープを貼るとこんな感じです。
まだまだ余白部分が多いので後で少しずつカットして調整します。
中には吸水用のティッシュを丸めてセットします。
水分がティッシュいっぱいになったら交換しますが、もちろんその際は手洗いを忘れずに。
それでもハンドタオル使用時に手が触れる頻度と比べたら圧倒的に衛生的です。
ペットシーツなんかをはさみで切って丸めたものを詰めたらもっと吸水性はアップするかもしれません。
作り方3:余白をトリミングする
余白部分が多い状態ですがとりあえず装着してみます。
このままではウォーターキーのトリガー部分が隠れてしまっており、水抜きの際に手が触れてしまいます。
余白部分をカットし、ついでになんとなく丸みをつけたものがこちら。
これなら水受けには手を触れず、ウォーターキーを直接操作して水抜きが可能です。
またここまでやって気づいたのですが、ファスナーテープの接着剤が意外としっかりと貼りついてくれます。
本当はファスナーテープを縫い付けないとダメかと思って裁縫セットも準備していたのですが、無理な使い方をしなければこのまま実用に耐えそうです。
逆にファスナーテープの接着面がだめになって剥がれたのを作り直す目安とするのが衛生的な観点からも良いでしょう。
というわけで主管用はここまでで完成です。
三番スライド用の作成
本当は主管用だけ作ればいいやーと思っていたのですが、先ほど作り方1でカットしたマスクの上1/3部分を三番スライドに当ててみるとなんだかいけそうな気がしてきました。
子供用の小さいウレタンマスクのアールがきつい部分を使うとよりフィットするとは思うのですが、費用対効果を考えて(要するに子供用をわざわざ買ってくるのが面倒……)先ほどカットした部分を再利用してみます。
カットはこんな感じでどうでしょう?
主管用と同様にファスナーテープを貼り付けて完成。
正直言って三番スライド用のカットの仕方は改善の余地があると思いますが……
中に詰めるティッシュは、主管用は1枚丸ごと細かく折りたたんで詰めたのに対し、三番スライド用は2枚一組になっているティッシュをはがしてそのうち片方の1枚のみを折りたたんで詰めるとちょうど良いようです。
使ってみた感じは
当然のことながら水を抜いても下に垂れないので非常に衛生的です。
中に詰めたティッシュを交換する頻度はそんなに高くありませんが、毎回綺麗に詰めなおすのは慣れが必要かもしれません。
見た目にこだわらなければグイっと適当にティッシュを詰めても機能的には問題ありませんが、やはり綺麗に詰めた方が本体がずれるのを防ぐことに繋がり、長時間快適に使うことができます。
またシンプルな構造なので、カットの仕方を工夫してやれば様々なブランドのトランペットに対応可能です。
軽い素材しか使っていないので重量面に関しては全く気になりません。
デメリットとしては、気のせいかもしれませんが、少しトランペットの共鳴がロスしているような気がします。
とまあこんな感じでしょうか。
楽団の練習など集団の中でトランペットを吹く場合には非常に役立つのはもちろんですが、ライブやジャムセッションなど人前でトランペットを吹く場合にもエチケットとして役立つものです(トランペットを演奏しない人から見たら床に水を捨てるのって汚いですよね……)。
はさみがあれば簡単に作れる上に、材料費も非常に安いのでぜひ試してみてください。