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ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。

ジャズスタンダードバイブル トランペットで全部吹く。#34

Jazz Standard Bible

日本全国のジャムセッションで共通の曲集として使われているジャズスタンダードバイブル。通称黒本。

そのジャズスタンダードバイブルを最初から最後までトランペットもしくはフリューゲルホルンで演奏してみようという企画です。

一応ルールとしては
テーマを1コーラス、そしてアドリブを1コーラスずつ演奏。
ただし伴奏に使うアプリ、iReal proで再現困難な曲は除外。
撮影機材は用意するのが大変なのでスマホのみ。
編集が面倒なのでノーカット、音にエフェクト掛けるのは禁止。

 

今回はジャムセッションで(少なくともインストでは)そこまで頻繁にコールされることのない、ちょっと珍しい曲が多かったような気がします。

ジャズスタンダードバイブルの1,2巻を合わせても454曲あるというのに、この2冊に載っていないスタンダード曲も多く存在しますからジャズって本当に奥が深いものですね。
しかもその一つ一つがよくできていて美しいっていう……

ジャズスタンダードバイブル掲載曲ですら知らない、もしくは演奏したことのない曲の多い僕などは年配の方の「金村君これ知らないのー?」に毎度目を白黒させています(笑)

というわけで初演奏の曲が多くなりましたが楽しんで参りましょう。34回目!

 

※難易度分けは初級- 初級+ 中級- 中級+ 上級- 上級+の順。文中に出てくるキーや音名などは全てinBb表記。

 

 

 Scrapple From The Apple




初級+

 

G(実音ではF)循環とでも呼ぶことのできるようなコードチェンジの曲です。

またビバップらしくアップテンポで演奏されることが多く、トランペット吹きからしてみればテーマの演奏も少し骨が折れます。

コードチェンジは決して難しい方ではないためレーティングも初級+にしていますが、こういったテーマなのでジャムセッションでコールするにはちょっと勇気のいる曲かもしれません。
演奏してみると楽しいんですけどね~


 

 

Secret Love




初級-

Secret Loveというタイトルとは裏腹に非常に楽しげなテーマで、コードチェンジも素直というか天真爛漫というか、難しいことをごちゃごちゃと考えずに気持ちよく演奏したくなる曲です。

少し調べてみるとこの曲、若かりし頃のキースジャレットがジャズメッセンジャーズで演奏しているということで(“Buttercorn Lady”というアルバム)驚きました。

残念ながらジャムセッションでコールされているのはあまり見たことがありません。
恐らくボーカリストによるコールが主だと思います。

 

 

Seven Steps To Heaven




中級-

マイルスが頻繁に演奏しているのでマイルス作曲かと思いきや、ヴィクターフェルドマンとの共作とのことです(実質フェルドマン?)。

フェルドマン、この曲をタイトルに冠したマイルスのアルバム”Seven Steps To Seven“でもハービーハンコックとは別のテイクで参加していますが、ハンコックとはまた違った素晴らしい演奏を繰り広げています。
マイルスバンドへの加入は断ったようですが、もしフェルドマンがマイルスバンドで本格的に活動していたらどんな作品が残されていたのでしょうか……

ここまで書いておいてなんですが、実は上掲アルバム内でのSeven Steps To Heavenの演奏はハービーハンコックです。
ややこしいことすんなよと思わずツッコミを入れたくなるのは僕だけでしょうか(笑)

 

 

The Shadow Of Your Smile




初級+

知名度はそこそこ高いが地味。インストでコールされる頻度は低く、ボーカリストや年配のプレイヤーが好むという印象のあった曲ではありますが、実は大変よく出来ていて美しい曲です。

コンテンポラリーというか最近のオリジナル曲も良いのですが、こういった魅力的な曲を掘り下げていくのもなかなかやめられませんねえ。
しかも演奏の難易度もそこまでではありませんから本当に良いことづくめの曲です。


なんとなく曲のイメージに合うかと思ってカップミュートでの演奏ですが、ミュートの演奏も慣れないと音程が……
アンニュイな曲にぶら下がった音程も合うのではないでしょうか(笑)

真面目な演奏家の方はカップミュート装着時に音程の調整をするのを怠らないようにしましょう。念のため。

 

 

Shiny Stockings




初級+

お恥ずかしながら僕はあまり馴染みがありませんでしたが、ビッグバンド業界(?)では素通りすることのできない名曲です。
そういえばジャズ研時代、お隣のビッグバンドサークルではよく練習されていたような記憶があります。

ジャムセッションであまりコールされることはありませんが、最近ではアヴィシャイコーエンが素晴らしい演奏をしています。
シンプルなコードチェンジに見えて実はちょっとだけいやらしい部分がありますし、そもそも気持ち良いスイングフィールを生かした演奏がまた難しいのですが、とにかくとても演奏していて楽しい曲です。

 

 

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