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Monetteマウスピースについて3 ピッチセンターとは

これまで旧ホームページ掲載分としてモネットのマウスピースについて書いてきましたが、ここからはだんだん具体的にマウスピースの種類やその特徴について書いていきます。

今回はモネットが提唱する“ピッチセンター”という考え方についてです。

ヤマハのマウスピースとの比較

 

モネットのマウスピース全体に見られる特徴としてまず挙げられるのは、一般的なトランペット用マウスピースと比べると少し短めに作られているという点です。

これはモネットが独自に提唱するピッチセンターという考え方によるもので、基本的に全てのモデルにおいてこの考え方をベースにデザインされています。



この動画によるところだと、Bbトランペットと一般的なマウスピースの組み合わせで低いBbチューニングBbそしてその1オクターブ上のBbをそれぞれ吹くと、低い音ではピッチが上ずり、高い音ではぶら下がる傾向にあります(上掲動画5:59~)。それを防ぐために演奏者は自然とピボットと呼ばれる動き、即ち低い音ではマウスピースの角度をわずかに上に、高い音ではわずかに下へ向ける動作が必要となっています。※1

モネットのマウスピースは使うトランペットのキーに合わせてそれぞれデザインされており、この動作が必要ありません。これによって演奏者がほぼ無意識に行なっていた音域ごとにごくわずかにマウスピースの角度を調整するという動作から解放され、ストレスなく演奏ができる。またそれによってハイノートも今までより楽に正確な音程で吹くことができるということになっています。

そもそもなぜピボットが必要かというと、昔のトランペットはA管で作られており、マウスピースもそれに合うようにデザインされていました。しかしBb管が一般的になった現代でも当時と同じデザインのマウスピースを使っているためこのような問題が起こるとのことです。

ですからこの動画で実験しているように、チューニング管を多めに抜いてAになるようにして3つの音を吹くと一般的なマウスピースにおいてもピボットが必要ありません(同5:30~)。

個人的にはこの効果はよく実感できており、単にハイノートだけでなく持久力の向上にも一役買っているように感じます。

ただしGRなどのように一般的なマウスピースより長くデザインされているのに関わらず吹きやすいと(個人的には)感じるものも存在しますので、一概に長いマウスピースがいけないとは言えないでしょう。

モネットではBbだけでなくCやEbなどの特殊管用モデルも販売されており、それぞれ違う長さでデザインされています。

型番の一番初めの文字がBならBb管用、CならC管というような見分け方です。

※1 ピボットについてはサトウトクヤさんが書かれている通り(ピボット奏法の大きな誤解「音域による楽器の角度変化について)、角度ではないという考え方も存在します。僕自身ピボットについて考える必要が無くなって久しいのでどちらが正しいのかは分かりません。角度云々はあくまでモネットの見解では、ということです。

 

個人的にはピッチセンターの恩恵はとてもよく実感できており、大変満足しています。

ただし一方で世の中には一般的なヤマハやバックのマウスピースで素晴らしい演奏をされる方が多く存在するのも事実ですから、ピッチセンターの考えに基づかないマウスピースは必ずしも吹きづらいということにはならないということも併記しておきます。

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